健康的に痩せる日本流「DASH食」

2020年11月01日 10時00分

旬のサンマは栄養価も高く、高血圧予防にも役立つ(写真はイメージ)

【緩和ケア医・大津秀一 長生きのレシピ】前回、適正体重を明らかにオーバーしている人は健康のためのダイエットを考えましょうというお話をしました。

 そこで今回は具体的な方法について。ダイエットに関しては一度成功しても継続できなかったり、不健康な痩せ方をしたことで逆に体に悪影響を及ぼしてしまう方も少なくないです。

 そこで紹介するのはDASH食。「Dietary Approaches to Stop Hypertension」の略で、米国政府の支援でダイエットを目指す人々のために研究者たちが作り上げた食事法です。日本語に訳すと「高血圧予防のための食事法」。米国では心筋梗塞などの心疾患で亡くなる方が特に多いため、考案されました。

 特徴としては塩分と炭水化物を控えめにして、食物繊維が豊富な野菜や果物、低脂肪の乳製品を取ることで、血圧を抑えることを目指しています。

 例えば一日の食事に置き換えたらこんな感じです。朝は食物繊維の多い全粒粉パンなどにゆでたまごやヨーグルト、そこにサラダをつけるといった形式。夜ごはんはサンマやイワシなどの青魚を中心に納豆や豆腐入りのみそ汁を加えて、さらに雑穀米やワカメサラダなどで食物繊維を補えれば、なおよしです。 

 ダイエットはもちろん、この食事法はシニアの方にもおすすめです。日本食は全体的にはやはり塩分が多めであることが知られています。塩分は必要ですが、取り過ぎは禁物です。カリウムの摂取も血圧の低下に関係しますので、新鮮な野菜は食物繊維も摂取できて一石二鳥です。ただし腎臓が悪い人はカリウムの過量摂取は望ましくないので、持病がある方は担当医ともよく相談しましょう。

 また、DASH食と相似形ともいわれるのは地中海食です。イタリア、スペイン、ギリシャなどの地中海沿岸諸国の伝統的な食事法となります。こちらも健康に良いだけではなく、食事の満足感を得やすくリバウンドしにくいとされています。両方ともに共通しているのは、野菜、果物、豆類、全粒穀物を多く取り、魚を適度に摂取する、肉類は控えめにすることです。

 ダイエットですからカロリー計算しながら取り組んでいく必要はありますが、健康になりながら、かつ痩せるというのがベストですよね。血圧や血糖が気になり始めた中高年以上、シニア世代の方には知っておいてもらいたい食事法です。
 次回は認知症に効く食事を取り上げます。

 ☆おおつ・しゅういち 茨城県出身。岐阜大学医学部卒業。内科専門研修後、ホスピス、在宅、ホームなど様々な医療機関で終末期医療を実践。東邦大学病院緩和ケアセンター長を経て、オンライン診療も行う早期緩和ケア大津秀一クリニックを設立。多くの終末期患者と向き合ったことで、予防医学にも力を入れる。著書に「1分でも長生きする健康術」(光文社)、「誰よりも早く準備する健康長生き法」(サンマーク出版)など多数。

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