【注目! 令和の健康新技術】筋肉の量や片脚立ちにより、リアルな健康状態をチェックできる「身体年齢」。注目を集めているその新指標は、どんなふうに活用されているのか。実は企業や自治体が率先して使い、未病段階で警鐘を鳴らしているという。

 身体年齢を計測するには、どうすればいいのか。

 実は、開発企業のヘルスビットはビジネス対象を「BtoB」に限っている。つまり健康経営企業や、健康推進事業に力を入れている自治体などにシステムを販売しているのだ。パーソナルスコア算出のアプリケーションは、ネット上のクラウド接続で得られる形である。それに対して、パーソナルスコア計測の利用料をいただく事業を展開している。したがって、企業や自治体が身体年齢計測を従業員の健康対策やイベントとして実施していれば計測できることになる。

 病気になってから治療に通うのではなく、普段から健康管理に気をつけようというのが近年の潮流。最近は従業員の健康に対する意識を高めている企業は多い。その他にも、三井住友海上は職域営業などの際にコミュニケーションツールとして身体年齢のスコア計測を採用している。健康推進イベントとして、あるいは販促策として身体年齢計測の機会がある。

 ちなみに身体年齢システムの利用料金は、イベントなどのスポット利用でシステム導入費用3万円プラス1日あたりクラウドシステム利用料1万円。一方、継続的に企業内や施設内で利用する場合はシステム導入費用5万円プラス利用人数に応じて1か月2万~6万円の使用料とのこと。

 企業や自治体が、それだけの費用を支出するのは、効果が迅速で顕著だからである。実際に2型糖尿病がその企業や自治体で画期的に減少していくという。強制的に食事制限をしなくとも、指標が意識を変えるため自発的に改善に取り組むようになるからだ。さらに、定期的に計測すれば、時系列で改善結果を認識することもできる。その他の活用事例としては、高齢者雇用の採用基準に実年齢ではなく身体年齢を参考に判断する企業も現れているという。

 近年では健康の参考となる指標開発が急速に進んでいる。文部科学省が1999年に「新体力テスト」を開始して体力維持に意識を向け始めた。テレビCMで著名なRIZAPも、前後ステップなど6項目を計測する「体力年齢推定式」を会員向けに提供するようになった。スポーツ用品メーカーのアシックスも平衡性や筋力など8項目を計測する「健康年齢」を提唱している。

 こうした各種の指標と比較しても、同社の身体年齢は測定項目が比較的少なく、簡単に利用できる。さらに幅広い用途に活用されていく可能性を持っている。