「ゴルフで死亡」の原因と予防策

2012年07月15日 12時00分

 中高年で突然死が最も多いスポーツがゴルフなのだという。プレー中に突然死する人が毎年数人いるほか、ゴルフ場を離れてから心臓まひなどを起こす人もいるらしい。その原因は何なのか。安心してゴルフを楽しむための心構えをスポーツ事情に詳しい医学の専門家に聞いた。

 ゴルフは健康にいいスポーツだ。適度にカロリーを消費し、緑の中でプレーすることで精神的なリラックス効果がある。しかし、意外な盲点を指摘する人がいる。

「運動の最中の突然死はゴルフとジョギングが最も多いという東京都監察医務院のデータがあります。ゴルフをスポーツと思っていないような甘い認識から、スポーツ医学の常識から外れた取り組み方をする人が多いのです」

 こう話すのは「テレビじゃ言えない健康話のウソ」などの著書がある新渡戸文化短期大学学長で医学博士の中原英臣氏だ。特に中高年ではゴルフによる突然死はトップだという。プレー人口が多いこともあるが、他のスポーツならやめるような体調の悪さでも、ゴルフだとやってしまう人が多い。その上、プレーする際にストレスを高める要素があるからだという。

「7つほどストレスを高める理由があります。まずゴルフ場には車を運転して行く人が多いのですが、運転は血圧を高めます。またスタート前にウオームアップしないで、いきなりプレーする人も少なくありません」
このため、1番ホール第1打での突然死が最も多いそうだ。

「3番目に、炎天下でも厳しい寒さでもプレーする人がいますが、これは心臓や血圧に悪影響があります。そして4番目にパッティングです」

 緊張とストレスが極度に高まるため、グリーン上での事故はスタート直後に多いという。

「昼食にアルコールを取る人が多いのも問題です。ゴルフの接待などのケースではアルコールを断れないなどの理由はあるでしょうが、アルコールを摂取して運動をするのは危険なのは言うまでもありません。同様にストレスがたまるせいか、喫煙しながらプレーする人も目に付きます」

 運動中の喫煙は心臓に負担をかけ、血液の酸素運搬率を低下させるのだという。

「7番目にゴルフの前夜は睡眠不足の人が多い。遅くまで酒を飲んで早起きする人も少なくありません」

 これだけ悪条件が揃うと心筋梗塞、脳卒中を起こす人がいても不思議ではないという。しかも、もし倒れた時にゴルフ場近くに病院があることはあまり期待できない。適切な治療を受けるまで時間がかかることを知っておく必要がある。

 ゴルフに関連する事故は報道される以上に多いという。ゴルフ場を離れてから倒れるケースがあっても、心臓病や持病のためとされるからかもしれない。

 中原博士は「プレー中に頭痛がするような時は、すぐ中止すべきです」と指摘している。きちんと準備をしてゴルフを楽しみたいものだ。

【事故防止には】どうすれば事故を防げるか。中原博士は「ストレスが高まる7つの理由を裏返して覚えてください」という。つまり「ウオームアップを必ずする」「炎天下や極寒の日は避ける」「プレーの合間にアルコールを摂取しない」「前日は睡眠を十分取る」といったことだ。ゴルフはいいコンディションでプレーすることが大切だ。