秋冬の新型コロナ流行に備えて、今からリスク要因となる肥満を解消するシリーズ、「コロナと肥満」第2弾となる今回のテーマは「肩こり解消」です。

 気が付くとなぜか、だらだらと食べてしまうという経験は誰にでもあるでしょう。仕事でプレッシャーを抱えているとき、今ならばコロナ禍もあり、先行きの不安定さにストレスを感じ、気が付くと何かしら口に運んでいるという方も多いようです。

 衝動に突き動かされ、何かを食べてしまうことを「エモーショナル・イーティング」といいます。実はそのきっかけとして意外と多いのは肩こりなのです。肩周辺がゴリゴリに固まっているときは、なぜか甘いものや糖質を取ることで心身のバランスを取りたくなるもの。長時間ドライブ時に、サービスエリアでソフトクリームや甘い菓子パンなどを求めた経験はおありでしょう。大事な会議や、緊張する上司と一緒に過ごした後なども同様に糖質を欲します。

 エモーショナル・イーティングの問題点は、文字通り食欲が止まらなくなってしまうこと。糖質を一度に大量摂取すると血糖値が急上昇。血糖値を下げるため体内ではインスリンが分泌されます。すると今度は低血糖状態となり再び糖質を求めるという仕組みです。こうなると血糖値も乱高下しますし、特に糖尿病などの生活習慣病を抱える方にはよくありません。

 原因となる肩こり解消にはブルーベリーを食べることもオススメです。ブルーベリーに含まれるアントシアニンは血流を改善し、肩こりの原因にもなる眼精疲労にも効果的です。

 また同様にオススメしたいのは、アーモンドなどのナッツ類。ナッツ類の健康増進効果は広く知られていますが、毛細血管を広げる働きのあるビタミンEが豊富に含まれていて、ブルーベリー同様、血流改善の効果が期待できます。かみ応えがあることで少しずつしか食べられず、血糖値も急上昇しないことで安心・安全のオヤツと言えます。

 最後にはストレッチです。テレワーク下で長時間パソコンに向かっていることで眼精疲労は進んでいます。必然的に筋肉のコリを生み、肩こりにつながります。解消法としてはドライアイを防ぐための目薬や首を回すなどのストレッチを1時間に1回は行うなど取り入れてみてください。

 本格的な食欲の秋を迎える前に、食欲コントロールの方法を覚えておきましょう。

 ◆工藤孝文(くどう・たかふみ)福岡大学医学部卒業後、糖尿病などの生活習慣病、甲状腺疾患などホルモンの疾患を専門に勉強。現在は福岡県みやま市の工藤内科で減量外来を含めた地域医療に取り組んでいる。「あさイチ」「ホンマでっか!?TV」などメディア出演も多数、「心と体のもやもやがスーッと消える食事術」(文藝春秋社)、「ざんねんな人体のしくみ」(青春出版社)など体のメカニズムに関する著作も多い。