【心肺停止から蘇り日記】感銘を受けた「臨床心理士」のカウンセリング

2020年08月28日 10時00分

【50代バツイチ女性医療ライター・心肺停止から蘇り日記】自分らしく生きるために――。心肺停止で倒れ、身体と脳機能に障害が残った50代独身(バツイチ)の女性医療ライターが、リハビリを続けるうちに気づいたこととは?

 心理療法で様々な検査を受けて、私が反発を覚えたのは、「どんなことも平均もしくはそれ以上にできなきゃいけないの? 計算、読解、パズルなど、得意不得意があっちゃダメなの? 満遍なくいい点をとるなんて、脳みそやられる前から無理」ということ。

 臨床心理士さんに不満をぶちまけると、「いい点をとるためのテストでありません。ありのままを知るための検査ですから」とニッコリ。確かにそうなのですが、やっぱりいい点とりたいんです(苦笑)。特に難問が多かったのがIQテスト。たとえば「長広舌」の読み方と意味は、全くわかりませんでした。読みは「ちょうこうぜつ」、意味は「よどみなく長々としゃべりつづけること」。知らねーしって言いたくなるのは、私だけでしょうか?

 私を苦しめた心理療法でしたが、いつしか感銘を受けるようになりました。自分をさまざまな角度から見直し、性格や能力などの長所や短所と向き合い、これからどう生きていくかについてアドバイスをもらえたからです。脳ダメージによって、抑うつ、不安、感情の乱れ、動揺、妄想、不眠などの後遺症が出る人も多いため、精神面を状態もしっかり見極めてサポートしてくれました。なので、病気のリハビリだけでなく、もしも心がつらいと感じている方がいたら「臨床心理士」のカウンセリングを受けてみるといいかもしれません。

 メンタルが弱っている人の助けになる臨床心理士は重要な仕事だと痛感した私は、50歳を超えていながら「退院したら臨床心理士になりたい!」と野望を抱くようになりました。早速検索してみると、指定大学院を出ないとダメとわかり、ハードルの高さに即撃沈。また「臨床心理士」は民間資格であることも知りました。そのため、診療報酬が病院につかず、あまり利益にならないため、リハビリ病院に臨床心理士が常駐しているのは珍しいそう。私の入院した急性期病院では、作業療法士が心理療法までかろうじてカバーしていたのは、そういう事情だったのでしょう。

 それでも日本初の心理専門職の国家資格「公認心理師」制度が2017年に施行され、現在まで約3万6000人が合格しています。診療報酬の追加の議論も進んでいるようです。国民の心の健康問題は、多様化&深刻化しています。専門的な知識と技術で心の健康を支援できる人材を育てていくことは急務なのです。 (医療ライター・熊本美加)