【心肺停止から蘇り日記】私を追いつめたラスボス「心理療法」

2020年08月22日 10時00分

【50代バツイチ女性医療ライター・心肺停止から蘇り日記】心肺停止で倒れ、身体と脳機能に障害が残った50代独身(バツイチ)の女性医療ライターの“リハビリ日記”。ついに最強のラスボスが現れた。
 
 わかり始めたマイ・リハビリテーション♪ 高次脳機能障害の私にとって、脳トレざんまいの「作業療法」はつらく、体を動かせばOKの「理学療法」は楽しいものでした。

 なのに、理学療法にも、いつしか運動しながらの脳トレが追加されてしまったのです。自転車をこぎながら、前方に備え付けられたタッチパネルで、動物シルエットクイズやジャンケンゲームなどに次々と答える新たな苦行が!

 簡単なはずなのに、焦りがあると間違えてばかり。「もう、頭を使うのは勘弁して…」とボヤく私に、理学療法士さんは「2つのことを同時にやるデュアルタスク・トレーニングは、脳のいろいろな部分が刺激されて、認知能力の向上につながりますよ」とニッコリ。たとえばウオーキングしながら、3の倍数で手を叩いたり、しりとりをしたりするだけでも、脳が活性化されるそうです。

 ですが、リハビリ史上最大に私を追いつめたラスボスは「心理療法」でした。私の脳のやられ具合を、心の問題のプロである臨床心理士が専門的に評価して、これからどうしていくかのカウンセリングをしてくれるのです。

 目には見えない知的機能や認知機能、さらに無自覚なメンタルダメージまで細かく調べるため、毎回テスト。つまり、試され続けるわけです。「明日、朝イチで心理療法です」とスケジュールを渡されただけで、通常110ぐらいの血圧が一気に150を超えるほど。心の動揺が血圧を左右するんだと、よーくわかりました。

 高次脳機能障害で注意力や記憶力が落ちていると指摘されても、こちとら「もともと注意力とか記憶力に自信ないし」「年とともに物忘れは増えてるし」「怒りっぽいのは性格だし」と、もろもろ思うところあり。「私の現状が、低酸素脳症での脳ダメージによる異変なのか、どうやって判断できるんですか?」と、初回から担当の臨床心理士さんに食ってかかったのですが、臨床心理士さんは「これからしっかり調べていきましょう」と冷静に対応。さすが百戦錬磨のプロフェッショナルです。

 そして、認知機能、心理テスト、精神分析、IQテストと進めるうちに、「もともと処理能力のスピードは高いけれど、慎重さに欠け、パパッとやってミスを起こしがちなタイプ」と指摘されました。「えっ、占い師?」と思うほど大正解。その私の傾向が、今回の脳ダメージで助長されていることが明らかになってきたのです。すごくないですか?(医療ライター・熊本美加)