【心肺停止から蘇り日記】普段は大酒飲みなのに…お菓子隠れ食い

2020年07月31日 10時00分

隠し持っていました

 リハビリ経験者はこの心情を分かってくれるはず。心肺停止で倒れ、身体と脳機能に障害が残った50代独身(バツイチ)の女性医療ライターが自らの経験を語ります。


 リハビリ病院では、神対応と手厚い看護で何不自由ない暮らしに心から感謝しつつも、日々のリハビリでは自分のダメさが浮き彫りに…この相反する気持ちが寄せては返す波のようで、落ち着かない日々でした。

 そんな私を癒やしたのはスイーツ。もともと酒飲みなので、甘いものは苦手で、食べると不機嫌になるレベル。果物もほとんど口にせずに生きてきたのに、リハビリで疲労困ぱいした脳が糖分を渇望しました。食後のデザートのバナナやミカンを口にしたのは、30年ぶりぐらい。さらに、病院の中にある売店にフラフラと引き寄せられ、チョコレート、クッキー、アイスを買い込むようになりました。お見舞いに来る友人に“密輸”を指示するまでに。

 救急搬送で入院以降、頻繁に血液検査がありました。心肺停止で倒れたことと因果関係は不明ですが、更年期を過ぎたおばちゃんなので、悪玉コレステロール値や尿酸値の高さが悪目立ち。医者から「お酒は飲まれますか?」と毎回質問をされる始末。そのたび「まあ、たしなむ程度に…」と返答していましたが、真っ赤なうそ。だって、「毎晩浴びるほど飲んでいます」とは答えられないお年頃(苦笑)。「病院食は減塩メニューにしましょう。もちろん、間食は控えてください」と言われたのでした。

 なのに、リハビリで頑張っている自分にご褒美とばかりに、ベッドでカーリングばりにモグモグタイムがあっちゅーまに習慣化。ヒマに飽かせて漫画&ゲームざんまいの時間を満喫。そんな至福時間に「今、いいですか?」とカーテン越しに看護師さんやらスタッフさんがやってくると大慌て。「えっえ、ちょっと待って」とドタバタと漫画やお菓子を布団の中にぶちこみ、知的な感じの落合陽一氏の本などを開くのです。

 この小学生並みの条件反射、50歳を過ぎた私ですが、いい子に見られたかったんでしょうね。もしも、布団をめくられていたら一巻の終わりでした。

 (医療ライター・熊本美加)