【心肺停止から蘇り日記】明るい未来を想像し前向きリハビリ

2020年07月10日 10時00分

【50代バツイチ女性医療ライター・心肺停止から蘇り日記】心肺停止で倒れた50代独身(バツイチ)の女性医療ライター。身体と脳機能に障害が残ったため(高次脳機能障害)、専門の病院でリハビリを受けることになりました。

 リハビリの作業療法をイメージできますか? ひとくちに「作業」といっても、食事、入浴、料理、仕事といった、人の日常生活に関わる全ての活動を指します。

 私の病院の広い作業療法室は、片手でネクタイを結ぶ練習をする人、モノヅクリに熱中する人、PCに向かう人、はたまたストレッチを受ける人など、様々な光景が。それぞれの心身に受けた障害に合わせカスタマイズされた訓練が、作業療法士とマンツーマンで行われていました。

 私の高次脳機能障害は、注意力低下↓記憶力低下↓ゆえに物事がちゃんとできない、という負の積み上げ状態。緊急入院で疲労困ぱいした心身のケアもしないと、脳の機能改善につながらないと、「神経心理ピラミッド図」を用いて説明を受けました。

 ちなみに、病気や事故が原因で半身不随や高次脳機能障害になった場合、「中途障害」と呼ばれます。普通にできていたことが、人生の途中でできなくなる。これを自覚したつらさとやるせなさは言葉にはできません。「なんで自分が…」と泣き崩れる入院患者さんを何人も見ました。特に働き盛りで一家の大黒柱という男性はうつに陥りがち。だから、病室の窓はちょっとしか開かないんですって。

 できない現実を突きつけられれば、心臓に剛毛が生えているおばちゃんの私でさえ超ブルーになりました。「ただ嘆いていてもしょうがないですよ!」と作業療法士はリハビリと並行して、障害を補うための作戦会議をしてくれました。「やるべきコトは必ずメモ」「メモは終了したら済チェック」「指さし&声に出して間違いがないか確認」と、転ばぬ先のつえになるノウハウを伝授。

 さらに、現代社会はICT(情報通信技術)が猛烈に進化中。体にまひが残った場合に必要になる自助具の設計は、手作りカスタマイズから3Dプリンター活用でより簡単になり、病院外の生活を体感できるリハビリ用VR(仮想現実)が開発されているそう。明るい未来を想像しながら、前向きにリハビリに取り組みました。

(医療ライター・熊本美加)