【ナント!不思議な体の仕組み】「良い汗」をかくために、しっかり汗をかこう

2020年07月08日 10時00分

ウオーキングなどの有酸素運動が効果的(写真はイメージ)

 今回は、いよいよ本格的な夏到来を前に「汗」をクローズアップします。何げなくかいている汗ですが、体調維持には非常に重要な意味を持ちます。汗の成分の99%は水分で、残りは塩分やミネラル、乳酸などの老廃物となります。

 汗には、「良い汗」と「悪い汗」があるのをご存じでしょうか。

 良い汗の特徴としてはサラサラして、無臭であること。一方、悪い汗の特徴は、ネバネバしていてニオイがあるものとなります。夏場になると「汗のニオイがひどい…」と悩みを持つ方はもしかしたら、悪い汗をかいているのかもしれません。

 同じ汗でどうしてこのような違いが起こるのかというと、それは汗腺の機能が関係しています。汗の原料は血液ですが、汗腺はミネラル、乳酸などの必要な成分を血液に戻し、残った水分を汗として体外に排出する、ろ過機能の役割を果たしています。ところが汗腺の機能低下が起こると、本来、血液中に戻すはずのミネラルなども多く汗として出ていくため、疲れやすくなったり、熱中症になりやすくなる…というわけです。

 汗腺の機能低下を防ぐためには、「日頃からしっかり汗をかくこと」が大事です。特に汗の量は加齢によって減る傾向にあります。「そういえば最近、汗をかかなくなったな」という人、さらに今年はコロナ禍で、自宅にいる期間が長かったこともあり、運動不足で例年以上に汗をかきにくい体になっている方も多いと思われます。今から準備が必要です。

 まずは軽めの有酸素運動がオススメ。朝夕の涼しい時間帯を選んでウオーキングをすることで、代謝機能を高めましょう。普段、汗をかかない人は当初、汗をかくまでに時間がかかり、ネバネバした汗が出るかもしれません。そのうちにサラサラした汗に変化してきます。汗腺機能がアップした証拠です。

 また、手足を高温で温めると汗腺が活発化します。この時期はシャワーで済ませがちですし、肩までつかるのに抵抗がある人もいるかもしれませんが、少なめにお湯(43度前後の熱めのお湯)を張って手足だけでもしっかりつかり、汗をかくようにしましょう。疲労回復にもつながりますよ。


☆工藤孝文(くどう・たかふみ)福岡大学医学部卒業後、糖尿病などの生活習慣病、甲状腺疾患などホルモンの疾患を専門に勉強。現在は福岡県みやま市の工藤内科で減量外来を含めた地域医療に取り組んでいる。「あさイチ」「ホンマでっか!?TV」などメディア出演も多数、「心と体のもやもやがスーッと消える食事術」(文藝春秋社)、「ざんねんな人体のしくみ」(青春出版社)など体のメカニズムに関する著作も多い。