【心肺停止から蘇り日記】高次脳機能障害のリハビリに必要なこと 機能が戻らなくても対処法や予防策次第で社会復帰は可能だ

2020年07月03日 10時00分

【50代バツイチ女性医療ライター・心肺停止から蘇り日記】電車内で心肺停止↓集中治療室で死の淵をさまよった50代独身(バツイチ)の女性医療ライター。症状が落ち着き、リハビリ病院で新たな生活が始まりました。

 急性期病院から転院し、翌日から始まったマイ・リハビリテーション♪ 渡辺美里じゃないですが、誰かに伝えたくてたまらなくなる案件です(苦笑)。

 私のリハビリは、入院生活で低下した体力の回復と、低酸素脳症での脳へのダメージ度合いを見極めることからスタート。「できなくなってしまったことができるようになればベストですが、たとえ機能が元に戻らなくても、必要な対処方法や予防策を考えれば社会復帰はできます!」と、前日にベッドサイドに担当の作業療法士&理学療法士の2人があいさつにきてくれました。その時は、「はあ、そうなんですか」と面倒くささ爆発で目も合わせず。でも、その後のリハビリを通じて、恩人というほど大切な存在になりました。 

 作業療法(Occupational Therapy)は、脳や身体に障害を受けた人が、日常生活や仕事に復帰するための指導や援助が行われます。理学療法(Physical Therapy)はケガや病気で、身体動作の障害を受けた場合の機能回復や維持の訓練になります。さらに、心理療法(Psychotherapy)では、心臓が一度停止し、脳が低酸素になったり、脳卒中や事故などで脳に損傷を受けるなどで、「高次脳機能障害」と診断をされた人へのサポートをしてくれます。

 私がそうでしたが、高次脳機能障害の当事者は「何か異変が起きている」と自覚がないケースが多いです。急性期病院で意識が回復した直後に受けた認知機能テストの結果は明らかに異常値でしたが、「答え間違ってないじゃん! ギャハハ~」と明るく逆ギレするヘンテコな人だったと、後に聞きました。認知症も同様ですが、自分の現状を受け入れることが、リハビリには大切な要素なのです。

 私は作業療法と理学療法は毎日で、プラス週2回の心理療法というプログラムになり、初日はドキドキの作業療法から。身体と脳機能の“やられ具合”をテストで細かく調べていきます。よくある100から7をひき続ける計算から始まり、言われたワードや数字を反復したり、逆から言い直したり。専用検査キットで模様が書かれたキューブを組み合わせて、課題の図版を完成するのが困難で、過呼吸ぎみになって脳が疲弊。というか、そもそも脳がやられたからここに来たのに負荷が強すぎ! 

 またも逆ギレしつつ、悶々と始まった、愛と苦痛のリハビリ道は次回へ続きます。 (医療ライター・熊本美加)