しとしと降り続く雨、何だか気持ちが重く、仕事にも張りが出ない――。今年は長引くコロナ禍も影響して、最近はこういった悩みを抱える方も例年以上に多いようです。

 そこで今回は脳の働きに注目し、モチベーションを上げる方法を紹介します。

 脳は左右で異なる機能を持っています。左脳は主に言語や計算力、論理的思考をつかさどっています。一方、右脳はイメージや情感を中心とした非言語系の情報を処理。感覚派ともいわれ、イメージ力や記憶力、ひらめきなどをつかさどる脳で幼児のころに発達し、大人になるにつれて左脳の働きが大きくなっていくとされます。常識的な大人になっていくにつれて、柔軟な発想が湧きにくいというのもこうした脳の構造に起因しています。

 企画で発想力などを求められた場合は右脳を働かせることが大事になります。簡単な方法としては、右脳を働かせたければ左手を使用すること。脳と手の関係として右手を使うと左脳が働き、左手を使うと右脳が働くことがわかっています。そこでオススメなのは、左手による歯磨きです。今では会社に歯ブラシを持っていく人も多いでしょう。食後にさっとできて、口の中もリフレッシュ。気分よく、午後の仕事や会議に向け、新たなアイデアも浮かぶというもの。

 ほかにも左手で文字を書いてみたり、ご飯を食べる際にたまには左手で食べてみてもいいかもしれません。文字を書くときには集中しないと書くことができませんし、食事においては何よりも利き手と違う手を使うことで思うように扱えず、自然と食事に時間をかけざるを得ません。よくかんで食べることにもつながり、ドカ食い防止で健康にもなるし、まさに一石二鳥かと。

 同時にこのコロナ禍でテレワークを続けている人は、そろそろ自分なりのルーティンを見つけてみてもいいでしょう。「仕事に入る際には、きちんとした服に着替える」「仕事のときにはお気に入りの文具を使う」「〇時になったらストレッチを行う」など。こうしたルーティンを行うことで、脳内ではやる気スイッチとなるドーパミンが分泌され、気持ちの切り替えにつながります。

 ウィズコロナの生活はもうしばらく続きそうです。できることから少しずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。

☆工藤孝文(くどう・たかふみ)福岡大学医学部卒業後、糖尿病などの生活習慣病、甲状腺疾患などホルモンの疾患を専門に勉強。現在は福岡県みやま市の工藤内科で減量外来を含めた地域医療に取り組んでいる。「あさイチ」「ホンマでっか!?TV」などメディア出演も多数、「心と体のもやもやがスーッと消える食事術」(文藝春秋社)、「ざんねんな人体のしくみ」(青春出版社)など体のメカニズムに関する著作も多い。