【50代バツイチ女性医療ライター・心肺停止から蘇り日記】電車内で心肺停止になって救急搬送、集中治療室で死の淵をさまよった50代独身(バツイチ)の女性医療ライター。症状が落ち着き、急性期病院からリハビリ病院に転院となりました。改めて、その日の様子と感動を振り返ってもらいましょう。

 晴れ渡ったすがすがしい朝、荷物をまとめて堂々と向かった病院前のタクシー乗り場。かつて脱走に失敗し、捕獲された懐かしの場所です。久々にシャバの空気を吸い込み、「世話になったな」と警備員さんにあいさつし、出所気分を満喫。急性期病院に別れを告げ、いざリハビリ病院へ!

 途中、自宅にタッチ&ゴー。3匹の飼い猫をモフモフしてからリハビリ病院に向かいました。ちなみに入院中のニャンズのお世話は女友達が当番制でやってくれました。

 そんなわけでリハビリ病院には30分ほど遅れて到着。「申し訳ありませーーん!」と慌てて駆け込んだ私を「走らないで! ゆっくりで大丈夫ですよ。お待ちしていました」とニッコリと迎えてくれました。誰一人として遅刻を責めることなく、丁寧に病院を案内し、入院手続きを行ってくれました。急性期病院では時間厳守でキリキリ管理され、ガミガミ怒られてばかりだったので、まさかの神対応に「ここは、天国かもしれない」と思いました(笑い)。

 私が転院したのは30年の歴史があるリハビリ病院。リハビリ病院といえば温泉場という時代に、都内に開院したパイオニア的存在なんです。ホテルを手掛けていた建築家による設計で院内はレトロモダンな雰囲気。スカイツリーに富士山も見えるロケーションもグッド。何より365日リハビリ訓練を実施しているので、年末に転院したのにロスタイムなし! 翌日からリハビリを受けることができました。

 外来の担当看護師さんは超ベテランで、立て板に水を流すような説明と動き。前の病院では、若い看護師さんが採血の際に右手2回失敗、左手3回目でやっと成功なんてことがありましたが、彼女は血管をトントンさぐって一発&痛みなしで即終了。

 診察では主治医から、検査したてのCT、レントゲン、血液検査の結果を見つつのわかりやすい説明がありました。やはり高次脳機能障害で記憶力、注意力の低下があると診断。復職に向けて、まずは身体機能、脳機能、暮らしぶりを評価し、リハビリを組み立てることになりました。転院ホヤホヤの初日なのに、ウキウキ過ごせそうな予感で安心して眠りについたのです。(医療ライター・熊本美加)