【ナント!不思議な体の仕組み】梅雨時に憂うつな雨の日頭痛 種類を知って正しい対処が大切

2020年06月03日 10時00分

 いよいよ梅雨の季節になってきました。そしてこの時期になると決まって「頭痛がする~、何とかしてくれ~」と言ってくる患者さんがいます。そういった方に説明するお話を今回はしようと思います。

 雨の日の頭痛については古くから「雨の日頭痛」などと言ってきましたが、最近はこれは気圧や気温の変化による「気象病」の一種だと、とらえられています。雨を降らせる前線の影響により、気圧が急激に下がってきたり、同時に気温、湿度も変化することで頭痛が誘発されるのです。

 頭痛の種類も確認しておきましょう。頭痛には首や肩の凝りなどからくる緊張型頭痛、ドクドクと脈打つような痛みが特徴の片頭痛、激しい痛みが目の奥に感じられる群発頭痛とあり、天候の変化によって影響を受ける可能性が高いのは緊張型と片頭痛。ただし、それぞれ頭痛を引き起こすメカニズムは異なります。

 頭全体が締め付けられるように痛む緊張型頭痛においては気温や気圧の変化が引き金になって、体内でセロトニンというホルモンが作られることが関係しています。セロトニンといえば、幸せホルモンとして知られていますが、この場合は交感神経を刺激して、血管を収縮させる働きがあるため、このことにより頭痛が起こると考えられます。一方の片頭痛が起こる原因については緊張型ほど詳しいメカニズムは分かっていませんが、一部には低気圧になることで血管が拡張、これが脳の神経を刺激し、片頭痛が起きるという見方もあります。

 気を付けたいのは緊張型、片頭痛、それぞれにおいて対処法が違うこと。緊張型は主に血管の収縮によって起こるため、温めて弛緩させるのが良いですが、逆に片頭痛は血管の開放によってもたらされるため、冷やして収縮させたほうが良いです。薬剤の処方も変わってくるため、梅雨時に頭痛が頻繁に起こる場合は、まずは自分がどちらのタイプの頭痛を起こしているのか、調べたほうがいいかもしれません。

 これまで「雨の日は頭痛が起こるし、何だか憂鬱だな」と感じられていた方も、原因が分かれば早めに薬を用意したり、対応を取って負担が軽減されます。ほかにも睡眠をしっかり取り過度な飲酒を控えたりなど、疲れやすい時期とあってこの時期は意識して体調のコントロールに努めましょう。

☆工藤孝文(くどう・たかふみ)福岡大学医学部卒業後、糖尿病などの生活習慣病、甲状腺疾患などホルモンの疾患を専門に勉強。現在は福岡県みやま市の工藤内科で減量外来を含めた地域医療に取り組んでいる。「あさイチ」「ホンマでっか!?TV」などメディア出演も多数、「心と体のもやもやがスーッと消える食事術」(文藝春秋社)、「ざんねんな人体のしくみ」(青春出版社)など体のメカニズムに関する著作も多い。