【50代バツイチ女性医療ライター・心肺停止から蘇り日記】実際に体験したからこそ語れることがあります。山手線内で心肺停止になって救急搬送、集中治療室にまで入った50代独身(バツイチ)の女性医療ライターが、入院で気になったこととは?

 入院中はベッドでボ~っと過ごしている時間が多いものの、1泊ごとにもろもろと経費がかかっていることを決して忘れてはいけません! 検査、治療、リハビリ、食事など、「LCCみたいに、もっと患者側がサービスを選択できればいいのに…」と個人的には強く感じました。

 倒れてすぐに入院した急性期病院を例にご説明しましょう。入院1か月後、経費の請求書を見てビックリ。1か月のオムツ代が1万円超え。「えっ、ほとんど使ってないのに…」です。

 救急車で運ばれた時に、家族はパニック状態で入院手続き。アメニティーの説明なんぞろくに頭に入らないまま契約書にサインしたのでしょう。オムツセット1日約550円で1か月1万6500円。寝間着、タオル、ティッシュセットは1日約400円。シャンプー・リンス・歯ブラシの日用品セットが1日約600円。まさにチリツモ! 自前で持ち込めるものや不必要になったものは、すぐさま契約内容を変更するのが賢い入院生活です。ぼーっとしてばかりじゃいけませんよ。

 過剰なサービスも気になりました。シャワーの許可がやっと出た時も、当然看護師さん同伴。家政婦は見た的なアツイ視線の見守り&勝手にドライヤー。まあ、何か起きたら大変なのでしょうがケアが手厚すぎっ。

 あと、足首が床ずれになってしまい、大量の塗り薬とガーゼが用意されました。予想通り使い切らずに完治し、ごっそり残りました。なんというもったいなさ。「不足してから補充すればいいんじゃない?」とイライラしてしまったのは私が昭和生まれだからでしょうか。

 検査に関しても、少し多すぎる気がしました。「3日前に血液検査やったよね?」「この前レントゲン撮ったばっかり!?」と疑問を抱くほどで、しかも、毎朝6時半に看護師さんに起こされ、そのまま体重測定に連行される謎。ちょっとした旅館より早いんですけど…。

 何より、いっぱい検査するなら、なぜ必要なのかと結果を毎回報告してほしかった。だって、検査結果を伝えられないことはザラなんですから。「お前はゆずなのか? いきものがかりなのか?」といった風貌のドクターに「来週ぐらいには退院できるかも」と曖昧な発言をされた時には怒りに震えました。

 急性期病院が多忙なのは分かります。しようがないとはいえ、説明が足りなさすぎて不信感が募るばかりでした。(医療ライター・熊本美加)