【ナント!不思議な体の仕組み】コロナ関連キーワード サイトカインストームとは?

2020年05月27日 10時00分

サイトカインストームが引き金となり、うつ病を発症することも(写真はイメージ)

 新型コロナウイルスは一時的に感染者数が減少しても、また規制を緩めると数が増えていくとあって、当面は気が抜けない日々が続きそうです。そして今回はコロナ関連のキーワードとしても聞くことが増えてきた「サイトカインストーム」(免疫の暴走)について取り上げます。

 まず、サイトカインとはタンパク質でできており、他の細胞に命令を伝達するための物質です。様々な種類があり、その中には細菌やウイルスが体に侵入した際にはそれらを撃退して、体を守ってくれる「抗炎症性サイトカイン」と、逆に体の様々な部位に炎症症状を引き起こす「炎症性サイトカイン」があります。

 通常であれば、この2つがバランスを取ってうまく体内の調整を行っているのですが、何かのきっかけで、炎症を引き起こす炎症性サイトカインの分泌が多くなってしまうと免疫系の暴走が起こり、自己免疫疾患などを引き起こしてしまいます。これが「サイトカインストーム」です。新型コロナウイルスに関して、一部の研究では体内でサイトカインストームが起きていることで血栓ができ、それが血管に詰まって心筋梗塞や脳梗塞などが併発するなど重症化するという見方も出てきています。

 また、他にも身近な例でいうと、肥満の人にたっぷりついていることが多い内臓脂肪は炎症性サイトカインの分泌異常を引き起こします。肝臓や筋肉の代謝を悪化させると同時に、様々な悪影響を及ぼします。脳にも影響を与えることで内臓脂肪を抱えている人が多い糖尿病患者さんには認知機能障害の症状が見られたり、同時にうつ病を併発するリスクも高まるので注意が必要です。

 このようにサイトカインストームが起きると、体内のあちこちで炎症による火事が起きているような状態となります。ヒザが痛い、肩がこる、気分がふさぎこむなども数多くある症状の一部です。

 原因となる炎症性サイトカインの分泌をコントロールする一つの方法としては、内臓脂肪が由来するということも分かっていますので、日頃から食べすぎを防ぎ、適度な運動を行うなど、メタボ対策を行う必要があります。特に免疫力を落としたくない今の時期には、日頃の生活習慣で防げる取り組みにも目を向けていただければと思います。

☆工藤孝文(くどう・たかふみ)福岡大学医学部卒業後、糖尿病などの生活習慣病、甲状腺疾患などホルモンの疾患を専門に勉強。現在は福岡県みやま市の工藤内科で減量外来を含めた地域医療に取り組んでいる。「あさイチ」「ホンマでっか!?TV」などメディア出演も多数、「心と体のもやもやがスーッと消える食事術」(文藝春秋社)、「ざんねんな人体のしくみ」(青春出版社)など体のメカニズムに関する著作も多い。