化学兵器は検出できる?

2013年09月27日 08時00分

【イケメンドクター・吉田眞の医学情報のウソ!ホント?】

 戦地の人たちが突然、苦しんでバタバタ倒れた…。しかも、ガスマスクや防護服を着ていない一般市民に被害者が多い場合、化学兵器が使用された可能性が考えられます。

 現在、戦争で用いられる化学兵器は、サリンなどの「神経ガス」が主です。こうした毒ガスは水や紫外線で分解され、土壌からはなかなか検出されませんが、体内に吸収された毒物は代謝されて体内に蓄積し、血液、尿、髪の毛や爪から検出すること可能がです。

 問題になっているシリアのケースでは、おそらく国連は次のような形で調査を進めるでしょう。

①被害者のサンプルを回収し、代謝物を既存の毒物データと照合します。ちなみに、皮膚や目に潰瘍を作る「マスタードガス」は分解が遅いため、土壌からも検出することができるようです。

②細菌やウイルスを使った「生物兵器」では、被害者のサンプルから病原体のDNAを検索します。遺伝子の変化した新型の生物兵器が使われた場合、その特定には時間がかかるようですが、特定自体は可能です。

☆よしだ・しん=総合診療科医を経て、現在は精神科医。非常勤医師として、刑務所、少年院、ホームレス支援施設、高齢者の在宅診察などに従事し、精神医療のディープな部分につかる。2009年にはラジオパーソナリティーを務めた。ロックバンド「医療講義」のボーカルと作詞・作曲を担当。