自殺は遺伝するのか?

2013年09月26日 08時00分

【イケメンドクター・吉田眞の医学情報のウソ!ホント?】

 自殺そのものは遺伝しませんが、“自殺傾向”は遺伝する可能性があります。

 自殺の原因は人によってさまざまですが、「うつ病」が自殺の主原因の場合、遺伝傾向は否定できません。脳内伝達物質「ノルアドレナリン」の活性が落ちると「うつ病になる」という有力な学説があります。これを裏づけるのがノルアドレナリンの感受性は「遺伝子で決められる」という研究結果です。これは“ネガティブ思考”が遺伝的に受け継がれやすいことを示唆しています。

 また、脳内物質「ドーパミン」が過剰に反応すると“被害妄想”を生み出しますが、これも「遺伝的な感受性がある」と言われています。

 もっとも、それらの遺伝傾向が即、自殺に導くわけではなく、孤独や経済的な困窮、酒やドラッグの乱用など、心を弱くする要素が相乗的に働くことで自殺への親和性が高まるのです。ですから家系的に“その筋”であっても、豊かな人間関係をつくり、目標を持った人生を営めれば、自殺リスクは下がります。精神医療と連携を取ることも、危機回避には必須です。

☆よしだ・しん=総合診療科医を経て、現在は精神科医。非常勤医師として、刑務所、少年院、ホームレス支援施設、高齢者の在宅診察などに従事し、精神医療のディープな部分につかる。2009年にはラジオパーソナリティーを務めた。ロックバンド「医療講義」のボーカルと作詞・作曲を担当。