【心肺停止から蘇り日記】リハビリ病院で見た夫婦の生態

2020年05月23日 10時00分

【50代バツイチ女性医療ライター・心肺停止から蘇り日記】山手線内で心肺停止になって救急搬送、集中治療室にまで入った50代独身(バツイチ)の女性医療ライターの症状は徐々に落ち着いていきました。急性期病院から出るときがきたのです。

 リハビリ病院への転院を断固拒否していた私。年も押し迫っていた時期だったことも大きな理由のひとつでした。「年越しは家に帰って、紅白歌合戦を生で見てそばを食べるのが物心ついた時からのお約束なんです」と訴えたものの、困ったことに急性期から回復期のリハビリ病院への転院は、発症から2か月以内でなければ保険適用されないのです! それでも、年末年始はさすがに病院もオフスケジュールだし、いったん自宅待機で年明けに転院でもいいのでは…というもくろみもアウトでした。

「ただベッドで時間をつぶすなんて私には無理。一時帰宅させろ! 家で留守番しているニャンズの元に帰らせろ!」と猛烈抗議。医師とは「転院が決まらない限り主治医として退院は絶対に許可できません」とバトルです。いい年して、自分の意思で自宅に帰ることも許されない境遇に、さめざめと泣きました。健康じゃないと自由も得られないんです。

 そんな険悪な状況だったものの、年内に受け入れ可能なリハビリ病院が見つかり、ある晴れた昼下がりにドナドナ風に移動。途中、こっそり自宅に寄ってニャンズをモフモフしたことは秘密です。そしてリハビリ病院での私の入院セカンドステージが始まりました。そして、これはこれで実に興味深い、発見の日々でした。

 まず、リハビリ病院は見舞い&面会の人が終日満員御礼。特に奥さんが入院患者の場合、旦那さんが毎朝仕事前と仕事終わりに訪れます。土日祝日は朝から晩まで一日中付き添う人がほとんど。一方、旦那さんが入院している場合は、奥さんは週1~2度現れて、洗濯物の受け渡しなど、ちゃっちゃと用を済ませると、とっとと帰っていくのです。嫁は自立、旦那は依存という構図を垣間見ました。嫁側が「帰って!とは言いにくいの~」とボヤく声も。

 とにかく男性側の見守りがかいがいしいのは年齢不問。私のリハビリ病院では食事は食堂で食べたのですが、奥さんの車椅子の背後にピタッとついて見守りサポートする旦那さんの姿。「キモッ!」と私は二人羽織ラーと命名しました(苦笑)。私のような独身女性の場合は友人が日替わりでワラワラ来てくれたことも付け加えておきましょう。(医療ライター・熊本美加)