【石原結實「飽食と冷えが招く人類の危機」】発熱は免疫力が上がっている反応なのに… 「解熱」で症状悪化させるリスク

2020年05月21日 10時00分

フランスのベラン保健相(ロイター)

 36・5度が人類の平均体温とされるが、その体温(脇下の体温。口腔内は0・5度高い)が、1度低下すると、免疫力が約30%減衰し、逆に、運動、入浴、サウナ、はたまた発熱などで1度上昇すると、一時的(数時間)に免疫力が4~5倍になる、とされている。

 風邪、肺炎に限らず、種々の病気(とくに炎症疾患)で、発熱し、体温が上昇するのは、免疫力を上げて、病気を治そうとする反応であると言ってよい。

 1918年に、欧州戦線に参加していたアメリカ兵から発症し、その後、全世界に拡大して、5000万とも1億人ともいわれる人々の生命を奪った「スペイン風邪」というインフルエンザ。この時、アメリカ兵にアスピリンが処方された。発熱して病気を治そうとしている体に、鎮痛・解熱剤のアスピリンが投与されたことが、全世界にスペイン風邪を蔓延させた大きな要因だったのではないかと私は思っている。

 今年の3月14日にフランスのベラン保健相が「新型コロナウイルス感染症の折にイブプロフェンを服用すると症状が悪化する可能性がある」とツイッターで発信した(後に、否定的な医学的意見も出されてはいるが…)。

 WHO(世界保健機関)もこれに追随し、コロナウイルス感染時には「アセトアミノフェン」の処方を推奨している。

 普通によく使われる解熱・鎮痛剤には大きく分けて2種類(上の表)があるとされているが、「アセトアミノフェン」も免疫力を上げるために上昇してくる熱を下げるのだから、「イブプロフェン」や「アスピリン」と五十歩百歩だと思うのだが…。

 ◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は「免疫力でウイルスに克つ! なぜか免疫力が高い人の生活習慣」(幻冬舎)。