【石原結實「飽食と冷えが招く人類の危機」】コロナ死亡者が日本で少ないのは「和食」が貢献? 「食い違い」が招く生命の危機

2020年05月14日 10時00分

 第1回、第2回と、「コロナウイルス感染症」の大きな要因が「食べ過ぎ」にあると述べた。

 さらに、もう1つ付け加えるなら「食い違い」である。

 話は旧聞に属するが、1986(昭和61)年にイギリスで発生して、その後、ヨーロッパの国々でも猛威をふるい、日本にも2001(平成13)年に上陸して我々を不安と恐怖に陥れた「狂牛病」(BSE)の原因は「プリオン」という病原体とされている。

 しかし、そうしたミクロレベルのことはどうでもよく、乳牛を早く成長させて沢山の乳汁を分泌させるために、羊の骨や肉(の乾燥粉末)を飼料に入れて食べさせたことが本当の原因である。

 草食動物である牛に肉を食べさせるという「食い違い」をさせたことこそが、BSEの真因だ。

 体重5000キログラムを超える象も、身長5メートル超のキリンも、牛も馬も、大型の哺乳動物は皆、草食である。平べったい草食用の歯しかもっていないからだ。ライオンやトラに「血液をアルカリ性にするために」と野菜、果物を食べさせようとしても食べない。肉食用の尖った歯が大部分を占めているからだ。

 翻って、我々人間の歯は32本のうち

 20本(32分の20=62・5%)…穀物食用の臼歯

 8本(32分の8=25%)…果菜食用の門歯

 4本(32分の4=12・5%)…肉、魚、卵用の犬歯

 である。にも拘らず、野菜や果物が育たなかった中部~北部ヨーロッパに移住していった人達が狩猟、やがては牧畜をはじめ、肉食中心の栄養学が確立された。

 アメリカ人があまりにガン、脳卒中、心臓病、肥満が多いので、1975年米国上院に栄養改善委員会が設けられて、全世界の食事や病気との関係が研究され、1977年「Dietary Goals」(食の目標)が発表された。それによると

 ①1日のエネルギー摂取の55~60%を炭水化物とするように

 ②同じく30%に脂肪の摂取量を減らすように

 等々…とし、具体的には未精白の「穀類、果物、野菜、魚、鶏肉、スキムミルク、植物脂」をしっかり摂り、「牛乳、肉、バター、砂糖、塩などは減らすように」という勧告が出された。「日本食こそ世界一の健康食」という件りもあり、和食、寿司、天ぷらなどが米国民の食文化にも入っていき、34年後の2011年には心筋梗塞やガンによる死亡をそれぞれ「58%」「17%」減らすことができた。

「コロナウイルス肺炎」の罹患数、死亡者数とも欧米諸国が抜群に多く、日本ではかなり少ないのには「和食」が貢献しているのかもしれない。

 ◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は「免疫力でウイルスに克つ! なぜか免疫力が高い人の生活習慣」(幻冬舎)。