感染症に対し高栄養では抵抗力が弱くなる

2020年04月23日 10時30分

【石原結實「飽食と冷えが招く人類の危機」】新型コロナウイルスに関する発言に注目が集まっているカリスマ医師の石原結實氏。先週から始まった当コーナーで、自説を展開しています。これは人類への警鐘なのかもしれません。

 前回、「コロナ肺炎」の本当の原因は「人類の食べ過ぎ」→「血液中の栄養物質(糖/脂肪)や老廃物(尿酸、乳酸など)の過剰」(漢方医学で言う“血液の汚れ”)→「ウイルスや細菌の好餌となり感染症が発症」ということを述べた。

 この点については、1970年代に、米国ミネソタ大学医学部の教授だったM・J・マレイ博士が、世界的に権威のある英国の医学誌“Lancet”にその証拠となる事例をたくさん掲載している。

 ①「エチオピアのソマリア遊牧民に、飢饉の時に食糧供給が行われると、マラリア、ブルセラ症、結核などの感染症が突然起こってきた」

 ②「第一次大戦中に発生したインフルエンザ(いわゆるスペイン風邪)においては、十分に栄養が行きわたっている人々に最大の死亡率が示された」

 ③「第二次大戦中、ある過密状態にあったキャンプにおいて、低栄養状態におかれた人々が、ハシカやチフスに対して最低の罹患率を示した」

 ④「1830年代に、E・チャドウィックがイギリスの刑務所で行った調査によると、十分に栄養を与えられた囚人の感染症の罹患率22%、死亡率=0・4%、十分に栄養を与えられなかった囚人の罹患率=3%、死亡率=0・16%であった」

 ⑤「インドでは乾季に草がなくなると家畜のエサが少なくなり動物はやせ細るが、動物の伝染病の罹患率は最低になる。逆に雨季になり草が茂り、それを食べて家畜が太ってくると、家畜の伝染病が急激に増えてくる」…等々。

 つまり「低栄養の方が感染症に対して抵抗力が強く、高栄養では抵抗力が弱くなる」わけだ。

 臨床医学の現場でも「極度に栄養状態が悪化している患者に、点滴により高栄養を与えると、肺炎など重篤な感染症を起こすことがある」ことが報告されている。

 私が33年前に訪れた中国では、経済状態が悪く、食事も粗食だったのだろう、通りで行き交う中国の人々は、皆、細身であった。今は、日本より金持ちの経済大国になり、多くの中国人が美食・飽食に陥っている。この点にこそ、「コロナウイルス肺炎」の蔓延の真因がある、と言ってよいのではないか。

 ◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は「免疫力でウイルスに克つ! なぜか免疫力が高い人の生活習慣」(幻冬舎)。