【ナント!不思議な体の仕組み】緊張するとナゼ腹痛に?

2020年04月22日 10時00分

 大事な試験やプレゼンの前になぜか、急におなかが痛くなる――。そんなことは誰しも経験があるかと思います。それにしても、どうして緊張するとおなかが痛くなるのでしょうか。
 それには、腸がストレスに対して特に敏感に反応する臓器だということが影響しています。他の臓器も多かれ少なかれ影響を受けますが、腸は特別。人はストレスを受けるとまず脳の中で「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)」が大量に放出されます。これを受けて、交感神経が活発化して心拍や血圧も上昇しますが、実はCRHは骨盤部にも働きかけ、腸の運動も促します。すると「ギュルギュル…」と例のキリキリとした腹痛を感じることになるという仕組みです。

 特に今でしたら、通勤時などに注意が必要です。マスクもせずにくしゃみなどしたら、周囲から白い目で見られることは必至(とはいえマスクも手に入りづらい…)。同時に「自身も含め、誰がウイルスを持っているか分からない」状況では強いストレス状態にあるので、どうしてもCRHは放出されやすい状態にあると言えそうです。

 腸は第2の脳とも呼ばれ、ストレスをより感じやすい性質のため、なるべくいたわっていただきたいですね。できる対策としては腸と自律神経を整えること。体の部位で注目は丹田です。おへその下に位置する丹田(おなかの中心)に力が入るようになると、ささいなことに振り回されない、ストレスに強い体質に変わることができるため、腹にしっかり力を入れることを日頃から意識してみてはいかがでしょうか。

 ほかにも腸内環境を整えるために、ヨーグルトやチーズなどの動物性乳酸菌に加えて、善玉菌の餌となって腸内環境を整えてくれるオリゴ糖にも注目。タマネギ、アスパラガス、ニンニク、ハチミツ、みそ、しょうゆなどに含まれており、乳酸菌と併せて取ることで、腸内フローラが荒れるのを防げます。

 腹痛の原因はストレスと関係があるということで、今回の新型コロナウイルス感染拡大を受け、「この騒動がいつまで続くのか」「今後、自分たちの仕事はどうなってしまうのか」と先行きへの不安感から、おなかが痛くなる方も一定数いるかと思われます。一つ言えるのは時間が解決する問題もあるということ。この時間を生かして、家族との会話を増やしたり、部屋の掃除をしたりなど、自分にとって心が落ち着く状態を見つけることでおなかの痛みも軽減されるはずです。

☆工藤孝文(くどう・たかふみ)福岡大学医学部卒業後、糖尿病などの生活習慣病、甲状腺疾患などホルモンの疾患を専門に勉強。現在は福岡県みやま市の工藤内科で減量外来を含めた地域医療に取り組んでいる。「あさイチ」「ホンマでっか!?TV」などメディア出演も多数、「心と体のもやもやがスーッと消える食事術」(文藝春秋社)、「ざんねんな人体のしくみ」(青春出版社)など体のメカニズムに関する著作も多い。