【心肺停止から蘇り日記】異変を感じたら早めに医療機関に

2020年04月18日 10時00分

集中治療室での私(本人提供)

【50代バツイチ女性医療ライター・心肺停止から蘇り日記】50代独身(バツイチ)の女性医療ライターが山手線内で心肺停止。周囲の助けで救急搬送され、集中治療室へ。奇跡的に復帰するまでを、自らのペンでつづります。先週から始まった新企画!

 人生で起きることは、いつも突然。準備なんてできません。心筋梗塞や脳卒中で倒れた時に、生き延びるか、くたばるか。その時の一つひとつの要素が重なって決まると思います。それこそが運なのでしょうか?

 私が心肺停止で倒れた場所が自宅だったら死んでいました。多くの人が居合わせる都会の電車内でも、地下鉄なら地上搬送に時間がかかり、命が助かっても障害が残っていたかもしれません。都心の山手線内という環境と、人命救急のリテラシーが高い人たちの連携プレーで救われましたが、次はどうなるかはわかりません。

 予測ができないからこそ「いつもと違う」と少しでも心臓に異変を感じたら、早めに医療機関に足を運んでおくべきです! 私は倒れる2週間ほど前から、朝8時ごろにテレビを見ている時に限って胸がズキズキ痛む謎の現象に襲われていました。しばしソファに横たわっていると収まるので、再放送の「おしん」の旦那や姑のモラハラがストレスなんだと思っていましたが、これが「冠攣縮性狭心症(かんれんしゅくせいきょうしんしょう)」のサインでした。「副交感神経から交感神経に切り替わる朝のタイミングで冠動脈がけいれんすることがある」と後に医師から教えられました。 

「冠攣縮性狭心症」は文字通り、心臓に血液や栄養を送っている冠動脈がけいれんして急に縮み、酸素が心臓に供給されなくなる状態。夜間の睡眠時や明け方の安静時にも起こり、突然死にもつながる恐ろしい病気。しかもけいれんは瞬間的に起こって15分ほどで収まるので、病院に行ってから心電図検査をしても見つかりにくいのです。

 原因は喫煙、不眠、過労、飲み過ぎ、ストレスとお決まりの要素が並びますが、要ははっきりしていません。私は冠攣縮性狭心症によって心筋梗塞が起きました。普通なら心拍数は1分間に60~80回のところが約300回とオーバーヒート。その狂ったリズムを戻すために電気ショックを与えるのがAED(自動体外式除細動器)なのですが、私の心臓は動かず、心臓マッサージが継続されました。手動のポンプで心臓や脳に空気を送り続けてもらえたのが生き延ばしの確率を上げ&脳へのダメージを最小限に食い止めることに。心臓マッサージは救命の現場では重要な措置なのです! 

(医療ライター・熊本美加)