藤圭子さんを自殺に追い込んだ精神疾患とみられる「統合失調症」は治らない?

2013年09月18日 08時00分

【イケメンドクター・吉田眞の医学情報のウソ!ホント?】

 治療によって症状が軽くなることは確かです。

 幻覚や妄想にさいなまれ、ときにそれが他者を傷つける行動へと発展する「統合失調症」は、まだ原因が分かっていません。胎児期の発育で“向かうべき方向”に進めなかった神経組織が、成人になる際に異常な反応を呈し始める――との説が有力ですが、これが本当なら、病気の予防は困難と言わざるを得ません。

 一方で統合失調症は、脳内で知的な情報処理を行っている「ドーパミン系神経」を激しく興奮させ、最終的にその神経を死滅させてしまいます。つまり病気の症状が激しく、なおかつ長く続くことで、患者さんの情報処理能力がどんどん低下してしまうのです。慢性期になると、感情の起伏や的確な判断が乏しくなってしまうのが、統合失調症のもうひとつの側面です。

 発症が見られたらすぐに治療を始め、症状が悪化しないように維持できれば、後遺症が軽減されます。「早期治療には予防的な効果もある」というわけです。

☆よしだ・しん=総合診療科医を経て、現在は精神科医。非常勤医師として、刑務所、少年院、ホームレス支援施設、高齢者の在宅診察などに従事し、精神医療のディープな部分につかる。2009年にはラジオパーソナリティーを務めた。ロックバンド「医療講義」のボーカルと作詞・作曲を担当。