日本人でも世界最速記録に迫れる?

2013年09月04日 08時00分

【イケメンドクター・吉田眞の医学情報のウソ!ホント?】

 今回の世界陸上では山県亮太くん(21=慶大)が10秒21で、桐生祥秀くん(17=洛南高)が10秒31、いずれも予選落ちですか…。残念ながら、日本人には世界最速(9秒58)どころか9秒台さえ難しいと思います。

 短距離走で特に重要なのは、スタートダッシュとその後の加速。スタートダッシュは瞬発力も大事ですが、「前へ進むエネルギー」を生み出すための質量も重要です。つまり同じダッシュでも、“重量や身長のある選手”の方が前進する力が強いわけです。

 直線での加速は、足の回転の速さ、つまり筋肉の瞬発力(強度と速度)が影響します。そして「瞬発力のある筋肉」と「持久力のある筋肉」の分量は、遺伝子によって決定されるのです。

 また、ストライドが長いほど地面と接触する抵抗が減るので、足の長い人ほど有利です。こうした身体的な特徴は、日本人の遺伝子には強く含まれず、日本人固有の身体構成のため、外国人のような超人的な記録は作れないはずです。

 現在、日本人歴代最高記録は1998年に伊東浩司選手がマークした10秒00で、現役最速は桐生くんの10秒01。これだけでも、日本人の9秒台突入がいかに困難か…という事実が分かると思います。

☆よしだ・しん=総合診療科医を経て、現在は精神科医。東京医科大卒。非常勤医師として、刑務所、少年院、ホームレス支援施設、高齢者の在宅診察などに従事し、精神医療のディープな部分につかる。2009年にはラジオパーソナリティーを務めた。ロックバンド「医療講義」のボーカルと作詞・作曲を担当する。