スケソウダラがメダリストを作る?驚きの研究発表

2020年02月11日 08時00分

 スケソウダラを食べるだけで、人間の速筋を増やす――。筋肉には日常生活レベルの活動に使われる遅筋(赤筋)と、瞬発力が必要な運動や体を引き締める役割がある速筋(白筋)がある。

 40代くらいからは、強い負荷運動をしなければこの速筋は減少していく。しかし「スケソウダラ速筋タンパク質」を研究するAPP研究会が先日、都内で驚きの発表を行った。

 東京大学スポーツ先端科学研究拠点の拠点長、石井直方教授は「速筋は日常生活ではほとんど使われないが、転びそうになって体を止める時や、階段を下りる時など、ブレーキ動作で重要なのです。また、安静時熱産生、つまり体温を保つための熱源として大切です」と語る。

 速筋が増加すれば、高齢者の転倒リスクや冷え性の改善に役立つわけだ。逆に速筋が不足すると体のたるみなどの見た目に影響もする。

 APP研究会幹事で愛媛大学大学院農学研究科生命機能学専攻の岸田太郎教授は「スケソウダラの身に含まれるタンパク質は、速筋のタンパク質です。ラット実験で、著しく速筋が増加することが裏付けられました。仮説としては、負荷運動と同様の筋肉再生のスイッチが入るようですが、まだ明確にはなっていません」と言う。

 65歳以上の女性に、運動介入なしに、1日1回4・5グラムを3か月間食べてもらったところ、下肢筋肉量が1・5%増加したという。実はアスリートらもスケソウダラ食をすでに導入している。

 日本水産の食品機能科学研究所副主任研究員の内田健志氏は「高齢者施設だけではなく、メダリスト級アスリートの高地トレーニング施設の食堂や、自衛隊の駐屯地3か所でも導入されています。もうすぐそれらのデータも発表できそうです」と明かす。

 スケソウダラはちくわやかまぼこ、カニカマ、魚肉ソーセージや、さつま揚げなどの練りもの、白身魚フライなどにも使われている。いろいろな料理に応用しやすい食材で、しかも筋肉を増やすのだから優れものだ。