新型コロナ 米国でも感染者…それでも中国は依然情報統制

2020年01月22日 16時15分

 発症者は増え続け、大平洋も越えた。

 武漢市を中心に中国で患者が多発している新型コロナウイルスによる肺炎で、米西部ワシントン州シアトル近郊で同市から来た男性1人が、この肺炎と診断された。米疾病対策センターが21日に発表。中国以外では日本やタイ、韓国、台湾で患者が報告されていたが、アジア以外での患者の報告は初めて。

 同センターによると、男性は30代で同州居住。15日に米国に入国し、症状が出たため19日に医療機関を受診した後、検査で感染が分かった。現在の症状は軽いが、経過観察のため入院している。武漢市で多くの患者が出ている市場には行っておらず、患者とは接触していないと話しているという。

 武漢市当局などの発表によると、発症者は中国国内で約100人新たに確認され計320人となった。死者は2人増えて計6人。新型肺炎は「人から人」への感染が既に確認されている。

 中国当局は武漢市からの団体旅行を休止するなど対策を急いでいるが、封じ込めは難航。習近平国家主席は20日「全力で予防、制圧せよ」と関係部門に指示した。情報を速やかに公表し、社会のパニックを最大限解消すると表明したが、本紙昨報通り、国内はNHK海外放送の関連ニュースを中断するなど情報統制を強化したまま。ネット上では「正確な情報を隠して報告していない」との指摘も出ている。

 米国での患者確認は、まさに世界保健機関(WHO)が示した「今後、中国内外での感染者確認例が増える」との見通しを物語る症例。WHOは専門家による緊急委員会を22日にスイス・ジュネーブの本部で開き「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に相当するか否かの判断や、感染拡大防止策を協議する。

 中国では春節(25日)の大型連休を含む帰省期間に延べ約30億人の移動が見込まれる。昨年、70万人超の中国人観光客が訪れた日本も厳重警戒が迫られる。