【ダイエット王子・工藤孝文の痩せる門には福来る】冬になるとなぜかお菓子や菓子パンなどが無性に食べたくなる…そんな方はもしかしたら、ウインターブルーによる過食に陥っている可能性があります。

 ウインターブルーとは最近よく聞くようになりましたが、日本語では「季節性感情障害」と呼ばれるうつ病の一種です。10~2月ごろの寒い時期に、「体がだるい」「気分が落ち込む」「いくら寝ても眠い」「甘いもの、炭水化物に手が伸びる」などの症状が出て、大きな原因は太陽の日照時間不足といわれています。

 関係しているのはホルモンバランス。太陽の光を十分に浴びると幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを分泌します。セロトニンは感情をコントロールするホルモンで、増えると気分が安定し、逆に減ってしまうと気分が落ち込みます。セロトニン不足には甘いものや炭水化物が効果的なので、脳から「食べなさい」と指令が出ます。そこで冒頭のようにお菓子に手が伸びてしまうというワケです。

 では、ウインターブルーを解消するためにはどうしたらいいでしょうか。一番効果的なのは、朝日を浴びること。日光を浴びるとセロトニン分泌が増えるため、寒い時期ですが、朝は少し我慢して、起き抜けにカーテンを開けるようにしましょう。もしどうしても早起きができないという人は、お昼ご飯をあえて日の浴びる窓際などで食べるだけでも日光の恩恵にあずかれます。

 次はお風呂の活用。セロトニンには、簡単に言うと「自分にとって気持ちのいいこと」をすることが大事です。ゆっくり温かい湯船に漬かって、冷えた体をほぐすことで血流も改善、リラックスにつながり、セロトニン分泌に結びつきます。

 最後は睡眠です。睡眠不足で疲れがたまるとセロトニンがうまく機能しなくなります。暖かな寝具を整えたり、この時期は意識的に寝る前はスマホ断ちをするなど、目と体を十分に休める方策を取りましょう。

 ウインターブルーは一過性のものですが、放置すると慢性化や重症化する可能性もあり、早めに手を打つのが得策です。仕組みを知った上でぜひ、自分のできることから取り組んでみてください。

☆くどう・たかふみ=福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、糖尿病などの生活習慣病、漢方・東洋医学・ダイエット治療を専門とし、自身も10か月で25キロの減量に成功した。現在は福岡県みやま市の工藤内科でダイエット外来を含めた地域医療を行う。NHK「あさイチ」「ガッテン!」、日本テレビ系「世界一受けたい授業」などテレビ出演、ダイエット・東洋医学に関わる著書多数。最新刊は「医者も驚いた!ざんねんな人体のしくみ」(青春出版社刊)。医師+(いしぷらす)所属。