深刻化する認知症高齢者の弄便トラブルの衝撃実態

2020年01月14日 16時00分

 認知症高齢者の弄便(ろうべん=自分の大便をいじる行為)トラブルは老人ホームや病院の現場で、深刻な問題だ。

 警視庁上野署は13日までに、ヘルパーとして勤務する病院で、寝たきりの入院患者に自身の大便をつけたとして、偽計業務妨害の疑いで、都内の派遣社員・中村大介容疑者(32)を逮捕した。「仕事が大変でストレスがたまっていた」と話している。

 逮捕容疑は昨年12月17~19日、永寿総合病院(台東区)で、70~80代の男女3人が着ていた服に大便をつけ、病院に警備を強化させるなどして業務を妨害した疑い。

 上野署によると、犯行時間帯に勤務していた職員から事情を聴いたところ、中村容疑者が関与を認めた。病室内で排便してポリ袋に入れ、腹部周辺などに塗りつけたという。

 弄便について、ある老人ホームグループの役員はこう話す。

「おむつの中の便を異物感があるからと素手で取り除こうとしたり、かゆいからとおむつの中をいじったり。そして、便が手についたままあちこち触ったり、逆に職員が騒ぐのを面白がって投げつけてきたり。握った便のことを絵の具だと思って壁に塗ったり。入所者の10人に1人は弄便トラブルがあります」

 また、別の老人ホームの現場スタッフは「弄便した利用者を拭いていたら、『きたねーな、あんた何やってんだ? こんな仕事やめろ!』と、便で自分が汚したことを数分で忘れて、汚した職員の人格を否定する暴言を機関銃のように吐きながら、汚い手で引っかいてきたり、殴ってきたりするのは日常茶飯事です」と語る。

 当然、現場のストレスはたまる一方だ。前出の役員は「人としての器が小さな職員の中には、認知症老人にされたことを恨んで、意地悪する人も少なくありません。やられたことをやり返すというレベルになると、容疑者のようなことになるのでしょう」と指摘している。