【ダイエット王子・工藤孝文の痩せる門には福来る】いよいよクリスマス。そして、あっという間にお正月を迎えます。春から始まったこの連載、少しは皆さんのお役に立てていますでしょうか。今回はどうしても飲み食いの機会が多くなる年末年始の過ごし方について、急激な体重増加を防ぐ心構えを2つ、ご紹介しようと思います。

 まずは「年末年始の集いは基本的に付き合いの場なので、食べることよりも話すことに重点を置きましょう」ということ。シチュエーションとしても久々に会った家族や旧友と旧交を温める場において、一人だけがつがつ食べたり、飲んだりするのも格好悪いもの。じっくりとヒザを突き合わせて、なかなか普段聞けない話に耳を傾ける。すると箸を置く機会も多くなり、自然と食べる量もセーブされます。

 とはいっても食べたいし、飲みたいですよね。そこで心構えその2、裏技として心の中で「正月は3キロまで太っていい」と決めておくのもオススメです。正月太りという言葉もあるように、もともとこの時期が太りやすいというのは誰もが分かっています。

 ただ、僕の患者さんにもいらっしゃいますが、何よりいけないのは「食べてしまった!」と後悔の気持ちが強い方。何がいけないかといえば、「ストレスホルモン」と呼ばれる脳内物質のコルチゾールの過剰分泌を生み、さらに暴飲暴食に走らせるというダイエットにおける負のスパイラルに陥りがちなんですね。

 これをなるべく起こさないようにするには逆に「正月はおいしいものが食べられていいな」や「久々に家族や友達とゆっくり過ごせてリフレッシュできた」など、精神的な充足感をしっかりと感じること。こうすることで「幸せホルモン」と呼ばれる脳内物質のセロトニンが分泌され、食べ物を必要以上に欲しがらなくなり、食欲過剰に悩まされずに済みます。

 体重の増減に関しても「3キロまでOK」と上限を定めておくことで、不必要なストレスホルモンを分泌せずに済みます。これ以外にもできることとしては飲み食いの日が分かっているならば、その前日の食事は軽めにするなど、年末年始の食事をトータルバランスで考えることも有効です。

 まとめますと年の瀬は楽しくゆったりとした気持ちで食卓を囲むことが一番のダイエット法となりそうです。皆さま、良いお年を。

☆くどう・たかふみ=福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、糖尿病などの生活習慣病、漢方・東洋医学・ダイエット治療を専門とし、自身も10か月で25キロの減量に成功した。現在は福岡県みやま市の工藤内科でダイエット外来を含めた地域医療を行う。NHK「あさイチ」「ガッテン!」、日本テレビ系「世界一受けたい授業」などテレビ出演、ダイエット・東洋医学に関わる著書多数。最新刊は「医者も驚いた!ざんねんな人体のしくみ」(青春出版社刊)。医師+(いしぷらす)所属。