【産業医の独りごと】社員名簿を使って年賀状作成 個人情報保護の観点からはアウト

2019年12月19日 10時00分

年賀状を社内の人間に送るときのルールとは…(写真はイメージ)

 年賀状の準備を進めている方もいるのでは? 私は無精者なのでいつも年末ギリギリ。年が明けてから慌てて送ることもよくあります。

 さて、私たち産業医は会社の中でも個人情報を数多く頻繁に取り扱います。例えば健康診断の結果や診断書など。そういった立場から個人情報についての問い合わせを受けることもよくあります。そんなわけで少々、人事部署の担当に近い話にもなりますが、今日は年賀状やSNSにまつわる個人情報の取り扱いについて注意したいことをお伝えしますね。

 まず、会社の人に年賀状を送る場合の注意点です。昔は社員名簿を使って送っている方も多かったと思いますが、2017年春に個人情報保護法が改正され、ルールが厳格になりました。簡単に言うと「本人の同意なしにその情報を明かしてはいけない」というもの。つまり年賀状に当てはめれば、「本人の了解なしに名簿を参照して年賀状を送ってはいけない」、同様に「個人的に知っている同僚の住所を他者に漏らしてはいけない」ということになります。

 いろいろな意見があるでしょうが、個人情報は「個人が特定できるもの全て」が当てはまります。そのため、本人の同意やルールに明示した目的以外には使用しないことが大原則となります。堅苦しいことを言うようですが、社員名簿を用いて年賀状を送った時点で「目的外使用」になり、個人情報保護の観点からはアウトになります。

 つまり、「年賀状送りたいから住所教えて!」と本人に聞いて教えてもらう以外に、同僚の住所を知ってはいけないということを頭に入れておきましょう。

 それから年末年始に向けては、SNSのルールについても注意が必要です。楽しい飲み会だったので盛り上がった写真をSNSにアップしたいと思ったとき。同じテーブルを囲んでいる人にはひと言、アップしてよいかの了解を取るようにしましょう。また、周囲のテーブルや他の人たちは写らないように配慮が必要です。タイムリーな話題が共有できるSNSは便利ですが、防犯の観点(写真に写っている人はその時間には家にいないことになりますよね?)からも大切なことなのです。

 今回書いたことは、「そこまで気を配らないといけないの?」と思われるかもしれませんが、個人情報保護に関しては企業側も目を光らせています。気が緩みがちな年末年始だけに今を便利に生きる私たちの責任として、最低限のITマナーもおさらいしつつ、気持ちよく年を越しましょう!

 (都内事業所勤務・A男)

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