マルチ商法で失速した“魔法の石”

2013年07月30日 08時00分

【なつかしの健康法列伝:魔法の石「ヘルストーン」】

“天然水を作る魔法の石”こと「ヘルストーン」が発売され、ヒットを飛ばしたのは1975年のことだ。

 いわく「水に浸すとミネラルウオーターになり、その水で作った水割りなら二日酔いしない」「浴用にすれば温泉と同じ効果が得られ、筋肉の凝り、血行障害、胃腸病、リウマチ、なかでも水虫に効果あり」とされた。

 このヘルストーン、そもそもは「麦飯石」とよばれるもの。成分的にミネラルのかたまりで、鉄、カルシウム、マグネシウム、マンガンなどが多量に含まれている。中国では「薬石」とも呼ばれ、一応の根拠はあったようだ。

 ただ、水道水が天然水に変わるかというとかなり疑問だし、水虫に効く理由も「?」だ。

 さらに、このヘルストーンを販売していた会社がマルチ商法で問題を起こし、78年に倒産。麦飯石の名誉は一気に地に落ちてしまった。

 とはいえ、この麦飯石、今でも浴用としては利用されており、少し前に流行した岩盤浴でも使われた。また、水質改善目的で、農業や観賞魚の分野でも現役だという。

 うたい文句のような劇的なものを期待するのは無理がありそうだが、長い目で見ればそれなりの効果はあるのかもしれない。