【産業医の独りごと】忘年会シーズンこそご用心! 歯周病予防へ日常生活で気をつけること

2019年12月12日 10時00分

 忘年会やパーティーなどが増える時期。帰りが遅くなったときなど、ついつい歯を磨くことが面倒でそのまま寝てしまう方もいるようですが、ダメですよ。歯のケアは本当に大事なんです。

「産業医は歯科の専門じゃないのになぜ?」と思われるかもしれませんね。でも、実は歯の健康状態は全身の健康と密接な関係があり、生活習慣で歯を良い状態に保つことが、健康や全身の病気の予防にもとても大切なのがわかっています。特に歯周病とメタボリックシンドローム、糖尿病、心臓の疾患などは関係性が深いと言われています。

 私たちオトナが歯を失う原因の多くはいわゆる虫歯と歯周病とされます。歯周病は、歯を支える歯肉やあごの骨などが炎症で正常な状態ではなくなり最終的には歯を失う可能性がある病気です。ある報告では、程度の差こそあれ30歳以上の成人の8割が歯周病とも。また、40代以上の人が歯を失う原因の第1位も歯周病なんですよ。

 歯周病が全身の病気と関係するメカニズムは大きく分けて2つです。まず1つ目は歯を支える土台が劣化し、かむ機能が低下することで肥満に結び付くこと。もう1つは、炎症の原因菌が血管の中に入り込んでいろいろな悪さをすること。例えば、血糖値をコントロールするインスリンの働きを悪くしたり、動脈硬化を進行させたり、心臓の内膜や弁膜に感染したりします。つまり虫歯や歯周病の予防は、長生きや元気に働くために必要不可欠なんですよね。

 では、日常生活では何に気を付ければいいでしょうか。まずは「よくかんで食べる」。よくかむと早食いが防止され、満腹感が得られるので食べ過ぎの防止にもなります。また、唾がたくさん分泌され、口の中の細菌を洗い流す効果も期待できます。ひと口30回以上かんでみましょう。健康状態が変わってくるはずです。左右両方の奥歯でまんべんなくかむのがコツ。片方の奥歯だけでかむ癖がある人が多いので、気を付けましょう。

 そして、よくかんで食べるためには、やっぱり歯や歯茎が健康であることが不可欠。毎食後20分以内に丁寧に歯を磨きましょう。特に寝る前は念入りに。かかりつけの歯医者さんを決め、定期的に歯の健康をチェックしてもらうのもとても大切です。

 (都内事業所勤務・A男)

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