【ダイエット王子・工藤孝文の痩せる門には福来る】前回、痩せるためにはまず脂肪味と甘味などを求める「デブ脳」を改善、リセットしないといけないとお話ししました。

 今回はその具体的な取り組みについて。やり方は非常に簡単で1日1杯、「痩せる出汁」を飲むだけでいいのです。かつお節、煮干し、昆布、緑茶と最強のダイエット食材を組み合わせた出汁を1日1杯飲むだけで体重が落ちていきます。

 順にその効果を紹介すると、まずかつお節に含まれるうま味成分・ヒスチジンを取ると体内で食欲を抑える働きをするヒスタミンに変化、食欲抑制につながります。さらにヒスタミンは交感神経を刺激し、脂肪燃焼効果を促します。

 次に煮干しの持つイノシン酸には細胞の新陳代謝を活性化させる働き、昆布にも強力な味覚の矯正効果があることが分かっており、緑茶にも高い抗酸化作用を持つカテキンが含まれます。

 さらにうま味成分はかけ合わせることで脳に働きかける力が強くなります。その意味で、かつお節、煮干しの「イノシン酸」、昆布や緑茶の「グルタミン酸」を加えることで、脂肪味や甘味といった「デブ脳」のリセットにつながるというワケです。

「痩せる出汁」の作り方も簡単です。耐熱皿にクッキングペーパーを敷き、かつお節約30グラムを2分加熱し、水分を飛ばします。次に煮干し10グラムを同じく1分加熱。ミキサーに、刻み昆布10グラム、緑茶(茶葉)5グラムを入れ、先に加熱したかつお節と煮干しも加え粉状に撹拌(かくはん)します。パウダー状になれば完成です。もし自宅にレンジやミキサーがないという方は市販のかつお節粉、煮干し粉、昆布茶、粉茶を「3、1、1、0・5」の割合で混ぜても、簡易バージョンの痩せる出汁ができます。

 この出汁、朝の起きがけにお湯で溶かして1杯飲むと満腹感が得られ、自然に食欲も抑えられます。ほかにも例えば夜食の際のお茶漬けの出汁としても活用できますし、お湯で溶かずとも出汁はパウダー状なのでサラダやおひたしにかけても栄養が取れます。出汁が効いて塩分の過剰摂取も抑えられますよ。

 私のダイエット外来の患者さんもこの出汁を飲み始めてから「食の好みがあっさり味に変わった」「食べる量が少なくなった」と満足感を覚え、ダイエットにつながる方が続出しています。やや手間はかかりますが、効果は抜群。痩せる出汁で味覚リセット、ぜひお試しください。

☆くどう・たかふみ=福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、糖尿病などの生活習慣病、漢方・東洋医学・ダイエット治療を専門とし、自身も10か月で25キロの減量に成功した。現在は福岡県みやま市の工藤内科でダイエット外来を含めた地域医療を行う。NHK「あさイチ」「ガッテン!」、日本テレビ系「世界一受けたい授業」などテレビ出演、ダイエット・東洋医学に関わる著書多数。最新刊は「医者も驚いた!ざんねんな人体のしくみ」(青春出版社刊)。医師+(いしぷらす)所属。