【産業医の独りごと】「みんなで作る健康職場」受動喫煙対策で上がる企業イメージ

2019年10月03日 10時00分

近年、職場では分煙が主流になりつつある(写真はイメージ)

 すっかり秋めいてきました。さて、10月第1週は全国労働衛生週間です。この期間は、働く人の健康維持や快適な職場づくりに普段よりもしっかりと取り組みます。行政も企業も社員も一丸となってやることで効果が倍増します。

 この活動は1950(昭和25)年から始まったので今年で70回目を迎える歴史の長いものなのですが、今と昔では取り組む内容も変化しています。たとえば昔は「健診をしっかり受けよう!」「結核を予防しよう!」といったスローガンが掲げられていました。もちろんこれらの目的は今の時代でも変わらず重要なのですが、特に最近では心の健康づくりや、多様な働き方を推進する中での円滑な職場運営に力を注ぐことが求められています。

 そして今年のスローガンはといえば「健康づくりは人づくり みんなでつくる健康職場」です。では、どんな取り組みが職場全体を健康にするのでしょうか?

 たとえば、職場の受動喫煙対策。これは、たばこそのものをヤメロ!と言っているのではありません。もちろん、たばこが人の健康に及ぼす悪い影響は証明されていますので、医師としては誰もが禁煙したほうが良いと考えています。でも、職場の受動喫煙対策はチョット別の視点です。

 たとえて言えば、働く空間には同じ会社の人間だけがいるワケではありません。宅配便を届けてくれる物流の方々、自動販売機の補充やコピー機の修理、電球の交換、はたまた清掃の方や会社の安全を見守ってくれる警備の方々などもいますね。そういった支えてくれる人々も含め、会社は成り立っているワケです。

 会社を取り巻くすべての方の健康に配慮して、できるだけ望まない受動喫煙をしないよう配慮する――。すると自然と「あの会社はいい会社だな」と企業イメージも上がることにもなりますし、会社のメッセージにもなり、「みんなでつくる健康職場」につながっていきます。

 どんな企画や施策に取り組むにしても、その理由や目的をしっかりと会社全体で共有し、思いやりをもって活動することが大事です。そうすることで職場の結束力や風通しが必ず良くなってきます。その意味でも今年は「うちの会社は○○を行う!」と独自のスローガンを掲げてみませんか? 取り組みを行うことで少しでも変化を実感いただけると思います。

 (都内事業所勤務・A男)