【ダイエット王子・工藤孝文の痩せる門には福来る】今回は体に良い「アブラ」を上手に取り入れて健康になりましょうというお話です。

 最近ではスーパーでも「体に良い!」という触れ込みで様々な油が売られています。中でも東スポ世代に特に重点的に取り入れてもらいたいのはオメガ3系といわれるグループの油です。オメガ3系とオメガ6系は体の中で作られず、積極的に摂取する必要のある必須脂肪酸にあたります。とりわけ魚の油であるDHAやEPAに代表されるオメガ3系の健康効果は半端じゃありません。

 代謝を高めることから始まり、中性脂肪の低下、動脈硬化防止、血行促進、認知機能保持、骨密度を上げ骨折を防ぐなど、こういった効果から体に良い油の筆頭とされるワケです。

 そんなオメガ3系の中でもさらに新星が現れました。これまで魚の油以外では亜麻仁油やえごま油などが知られていましたが、最近ダイエット業界で注目を集めているのは、グリーンナッツオイルです。別名、インカインチオイルといい、グリーンナッツの種からオイルが抽出されます。その健康効果たるや、不飽和脂肪酸が93%と驚異の数字を誇ります。動脈硬化防止、脳梗塞や心筋梗塞の予防に高い効果を発揮すると見られており、抗酸化作用を持つビタミンE、目に効くビタミンAも豊富に含まれます。

 特長は熱に強いこと。これまでのオメガ3系の油といえば、熱に弱いことでサラダやおひたしに直接かけるなどの食べ方が一般的でしたが、加熱にも耐えうることで炒め物に使用できるなど、調理の幅も広がりました。ただ、スーパーで一般的に売られているところはまだ少ないため、通信販売や専門店でお買い求めいただければと。

 最後に油の取り方に関して注意点もお伝えしておきます。必須脂肪酸であるオメガ3系とオメガ6系(ごま油、コーン油など)はバランス良く取り入れることが大事です。近年はオメガ3系の割合が少なくなっていることで、にわかに亜麻仁油やえごま油の健康効果が注目を集めていますが、一方に偏ると逆に健康リスクが高まります。私の患者さんでも多いのですが、思い込むとそれしか取らない方も多いため、その点はご注意ください。

 油に関しては、体に働くメカニズムを理解した上で用途に合わせてバランス良く体に取り入れるようにしましょう。

☆くどう・たかふみ=福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、糖尿病などの生活習慣病、漢方・東洋医学・ダイエット治療を専門とし、自身も10か月で25キロの減量に成功した。現在は福岡県みやま市の工藤内科でダイエット外来を含めた地域医療を行う。NHK「あさイチ」「ガッテン!」、日本テレビ系「世界一受けたい授業」などテレビ出演、ダイエット・東洋医学に関わる著書多数。最新刊は「医者も驚いた!ざんねんな人体のしくみ」(青春出版社刊)。医師+(いしぷらす)所属。