「二度寝」にメリットなし!

2012年06月07日 12時00分

 春から初夏にかけてのこの時期、二度寝したくなる人は少なくないはずだ。朝一度目覚めてからもうひと眠りする気持ち良さに「あと10分」「あと5分だけ」と布団の中でグズグズしている人は多い。ところがこの二度寝が健康に良くないという。その理由を睡眠のエキスパートに聞いた。

「二度寝は健康面のメリットは全くないことが分かっています。体に良くありません」

 こう話すのは「眠活」などの著書がある睡眠改善インストラクター・友野なおさん。二度寝するのは体が睡眠を必要としているから――と考えがちだが「それは間違い」だという。ホルモンバランスに悪影響を及ぼすのだ。

「特にストレスホルモンとも言われるコルチゾールに影響があります。コルチゾールは脂肪をエネルギーに変えるホルモンですが、寝ている間に分泌され、明け方の3~6時ごろが一番高まるのです。目覚めてからもう一度寝ると、分泌が高い状態のままで寝ることになるので頭痛の原因になったりします」

 コルチゾールは副腎皮質から分泌される。代謝や免疫に関与する、極めて重要なホルモンだが、量が多すぎればストレス状態になり、低すぎれば副腎皮質を破壊してしまうなど、敏感な反応を示すという。

「二度寝して次に起きた時にはコルチゾールの分泌は下がってしまいます。血糖値も下がってしまいますから、二度寝した人は体がだるくなってしまうのです」

 二度寝して睡眠が十分なはずなのに頭がボーッ…。これには医学的理由があったわけだ。

 二度寝したくなるのは冬と今の時期に多いという。寒い冬は分かるが、なぜ今の時期なのか。

「春から初夏にかけては自律神経が乱れやすく、睡眠のクオリティーが悪化する季節。このため朝5時とか6時に起きてしまう人が増えるのです」

 自律神経は寒い冬には血管を収縮させる方向に働いたりする。ところが、昼と夜の気温差が大きいこの時期には、その変化に自律神経がついていきにくいそうだ。

「さらに日照時間がぐんぐん長くなるので睡眠時間は短くなりがちです。睡眠を促進するメラトニンが減ってしまうのも、睡眠を浅くする原因となります」

 もちろん「五月病」を引き起こしたりする転勤や入社、入学など環境変化が多いことも、睡眠の質を悪化させる。

「そのせいで二度寝したくなるのですが、だからといって二度寝しても疲れるだけです。いわゆる生体時計も狂わせてしまいますから、だらだらした生活につながってしまいます」

 では二度寝したくなったらどうすればいいのか。友野インストラクターはこうアドバイスする。

「眠くても起床してしまうのが一番。睡眠不足なら日中に昼寝してもいいのですから」

確かに二度寝は起きてもスッキリしない上、何よりサラリーマンには大敵の遅刻の最大の原因になる。この時期にこそさっと布団から離れよう。

【二度寝するなら…】睡眠不足が続いている時はどうするべきか。友野インストラクターはこう言う。
「二度寝する前に目に太陽の光を入れます。そして30分後に無理して起きるのではなく、1時間半後にサッと起きるようにしましょう」