【中高年のための性感染症講座】性器クラミジアの感染で無精子症になるケースも

2019年09月03日 10時00分

 この連載も残すところあと2回。これまで、梅毒、エイズ、淋菌、尖圭コンジローマを取り上げてきましたが、性感染症はまだまだあります。忘れてはいけない「性器クラミジア」も駆け込みで紹介しておきましょう。
 
 これは「クラミジア・トラコマティス」という微生物に感染して起きます。他の性感染症と同じで、自覚症状がほぼないのが大問題です。放置しておくと、女性の場合は子宮内膜炎や腹膜炎などを発症し、卵管が詰まって不妊症になるリスクがあります。その上、妊婦さんが感染した場合、産道感染した赤ちゃんは結膜炎や肺炎を起こすこともあります。
 
 性の健康医学財団が日本産婦人科医会の協力を得て全国の全妊婦に行ったクラミジア感染症の疫学調査(2013年10月~14年3月)では、32万5000人あまりの有効データを回収。その結果、妊婦の2・4%がクラミジア感染症に感染しているというショッキングな結果が…。さらに19歳以下では15・3%、20~24歳7・3%と若い妊婦さんが特に感染率が高いことも明らかになりました。
 
 一方、男性が感染した場合、進行すると前立腺や精巣に炎症を起こし、精子の通り道が閉ざされて無精子症になるケースがあります。無症候性クラミジア感染も、やはり早期発見・早期治療が重要なのです。
 
 今回は、「こんな時には注意してほしい!」という男性向け性感染症簡易チェック表をご用意(①)。もし症状が気になったら、心当たりの性的接触があったかどうか振り返ってください。併せてその時期を特定しやすいようそれぞれの潜伏期間の目安をざっくりまとめました(②)。
 
「潜伏期間」とはあくまで感染してから症状が出るまでの期間を指します。この時期には病原菌の存在を調べる検査(クラミジア、淋菌、トリコモナスなど)は有効ですが、血液中の「抗体」を調べる検査(HIV、梅毒、B型肝炎など)に関しては何とも言えません。個人差があるものの抗体ができるには感染して1か月以上かかるからで、「感染したかも?」と急いで駆け込んでも偽陰性になってしまいます。なので、不安要素が少しでもあれば、もちろんなかったとしても、性的接触をする際には必ずコンドームを忘れずに! 
 
(医療ライター・熊本美加)
 
☆くまもと・みか=「公益財団法人 性の健康医学財団」の機関誌編集員として、性感染症予防・啓発に加え、幅広く性の健康について情報発信に携わっている。