【産業医の独りごと】うっかり常温放置…夏場のカレーで食中毒を防ぐ2つのポイント

2019年08月29日 10時00分

カレーは温め方にもコツがあるという(写真はイメージ)
 前回に引き続き食中毒のお話です。まずは実際に私が食中毒を起こした例からご紹介します。
 
 夏場、よく食べるのがカレーですよね。スパイシーで野菜も取れ、何日にもわたって食べ続けられる。しかしある夏の朝、いつものように加熱して食べたところ、体に異変が。原因は前日に調理したカレーを出しっぱなしにしてしまったことにありました。常温放置してしまったことでウェルシュ菌が発生。自業自得とはいえ、大変な目に遭いました。食べてから数十分ののち、強烈な吐き気と下痢が…。トイレに駆け込んだ瞬間、ギックリ腰になったという“オチ”もつきました。
 
 実はこのウェルシュ菌によるものは食中毒の3大原因に入るほど、発生頻度も高く特に夏場は患者数も多いです。カレーやシチューなど大鍋で作る料理で発生することから別名「給食病」とも呼ばれるほどで、一度発生すると患者数が増えてしまうというワケです。
 
 ウェルシュ菌の問題は見た目もニオイも変化させないため、食べても味の変化がなく、おなかを下しても夏風邪と勘違いする人も多いです。ただおかしいなと感じたら、病院に行ってください。食中毒時は細菌を出さないといけないので、下痢止めなどくれぐれも服用しないようにしてください。
 
 では夏場のカレー、汁物保存はどうすればいいか。ポイントとなるのはウェルシュ菌は嫌気性菌だという点。読んで字のごとく、空気を嫌うため温めるときはしっかりとかき混ぜながら空気を取り込むことが大事です。
 
 保存時にもコツがあります。ある程度、余熱が取れたら小分けにして冷蔵庫に入れ、一気に10度以下に冷却します。こうすることで菌が増殖しにくい環境をつくります。
 
 さらに夏場に多い食中毒の例として焼き肉も取り上げましょう。これは調理器具の扱いに注意です。焼き肉を食べるとき、焼く際にはトングを使っていても、いざ食べる際にはアミの上から“じか箸”で肉を取っていませんか? ついつい面倒でやりがちな行動ですが、これは厳禁です。
 
 なぜかといえば、まだ焼けてないお肉を箸で取ることで肉に付着するカンピロバクターなどを体内に取り込んでしまいます。「トングは肉専用にすること」、また「肉にしっかりと火を通す」を改めて徹底しましょう。
 
 今の時期は夏の疲れで免疫力も落ちているとあって、体も食中毒になりやすい状態にあります。できる対策をしっかり取って、秋を待ちましょう。
 
(都内事業所勤務・B男)