【産業医の独りごと】夏場の職場環境改善にオフィスの数か所に温湿度計設置を

2019年08月08日 10時00分

猛暑の時期、会社で取れる対策とは…(写真はイメージ)
 暑さが厳しい季節となりました。オフィスで仕事をされる方は、冷房病なども気になるところ。今回は夏場の職場環境についてです。
 
 最近ではだいぶ知られてきましたが、冷房病とは冷房で体が冷えすぎたり、冷房の効いた部屋と気温差のある外を行ったり来たりするうちに、体内コントロールを行う自律神経がうまく働かなくなる状態を指します。
 
 体のメカニズムから説明すると、体を冷やすと交感神経が血管を収縮させ、体温を逃がさない役目を果たします。逆に体が熱いと副交感神経が血管を広げて熱を逃がす役目を果たします。本来、体に備わった機能として、この2つがうまく働いているのですが、内外の気温差が5度以上になると自律神経のバランスが乱れ始めます。頭痛、肩こり、腰痛、だるさ、食欲不振など多岐にわたる症状が出てきます。
 
 職場環境改善のためにオフィスで取り組むべきこととして私が指導しているのは、まず第一に温湿度計の設置です。温度と湿度が同時に分かるようになっており、最近のものは「熱中症ゾーン」など、気温が高く湿度も高くなっている場合には色分けで分かりやすく表示するものなどもあります。
 
 特に気をつけてほしいのは、大きなフロアの場合は、場所によってまったく気温が異なる場合があること。たとえば大型のコピー機などが置いてあると、熱源のため、その付近は気温が高くなります。そのため、温湿度計は分かりやすい場所に何か所かに分けて設置することを勧めています。
 
 快適な湿度帯の目安は40~60%。夏場は60%を超えないように気をつけましょう。温湿度計は夏だけでなく、冬場のインフルエンザ対策にも役立ちます。そこまで高いものではないので、これまで設置していない会社も取り入れやすく、分かりやすい職場の環境改善につながります。
 
 また冷房に関しては、最近はエアコンに取り付けることで風が直接当たらないようにする機器も出ています。そういったものを活用して、空気を循環させてもいいかもしれません。さらにサーキュレーターまでいかなくても、高い位置に扇風機を設置して、熱い空気を下にうまく回すことで、均等な温度が保てます。
 
 冷房の温度設定も男女差によって感じ方が違う場合もあります。いろいろと工夫しながら、健やかな職場環境を保つようにしましょう。
 
 (都内事業所勤務・B男)