【美人整体師・久嬢由起子「寝たきり予防!お家で簡単ストレッチ」(7)】どこかが痛いと歩くのが嫌になります。そして、どこかが痛くなるのは何かきっかけがあります。美人整体師・久嬢由起子に、そのからくりと対策を教えてもらいましょう。

 お尻の筋肉が衰えると、階段を上るのがつらくなり、ヒザにも負担がかかります。それがヒザの痛みにつながってしまうと、外出をしなくなるなど、高齢者にありがちな悪循環が始まってしまいます。お尻の筋肉って、本当に大事なんです。

 そうならないよう、よくご年配の方が勧められるのは床に座っての“お尻歩き”。お尻の力だけで前に進むんですが、高齢になると実はそれほど簡単な運動ではありませんし、「座骨が床に当たって痛い」という人もいらっしゃいます。そこで私は、前に進まない“その場お尻歩き”をオススメします。

 床に座り、両脚を伸ばして普通のウオーキングのように腕を振りながら、左右交互に体をねじります。お尻も左右交互に“足踏み”するイメージです。これだけでもだいぶお尻の筋肉を使います。

 腕を振ることで肩甲骨周りが動き、代謝もアップ。そもそも、腰を立てて足を伸ばした体勢をキープしている時点で、必要最低限レベルの腹筋と背筋も使っています。“筋トレ”といった感じはしないのに全身を使い、テレビを見ながらできるのに予想以上に効果がある…という運動なんです。

 自分の筋力や体の硬さに合わせて、段階を踏めるのもポイント。脚を伸ばすのがきつかったらヒザを曲げてもOKですし、あまりに楽勝だったら足首を90度に曲げて、爪先を自分の方に向けることでより負荷をかけることができます。

 たとえ進まないとしても、“お尻歩き”の動きは骨盤も整えてくれますので、骨盤のゆがみからくる腰痛予防にもなります。一日の終わりに行えば、その日にゆがんだ骨盤を元に戻してくれるはず。また、お尻周りの筋肉がつくと骨盤自体、ゆがみづらくなりますよ。

【やり方】
 ①床に座り、両脚を真っすぐ前に伸ばす
 ②腕を大きく振りつつ、左右に体をねじりながら、その場で“ウオーキング”
 ③時間は決めず、自分がやれるだけ行う
【注意点】
 体が硬く、脚を伸ばせないようならヒザを曲げても構いません。呼吸は止めずに行いましょう。

 ◆久嬢由起子(くじょう・ゆきこ)1982年生まれ。整体師、肛筋トレーナー(日本大腸肛門病学会専門医公認)、ボディメイクトレーナー。ミス・ユニバース・ジャパンファイナリストの講師も務める。新たなストレッチ法を次々に考案。肛門の筋肉に注目した「やせたいなら肛筋を鍛えなさい」の書籍とDVDが発売中。人気上昇中で、テレビや雑誌に引っ張りだこ。