愛知県西尾市で43歳の女性が車を運転中にスマホ向けゲーム「ポケモンGO」を使用し、道路を横断していた85歳の女性をはねる死亡事故が先週、起きた。ポケモンGOを巡っては、2年前に社会問題となったが、いまだ火は消えていなかった。

 全国各地でこのところ週末になると、駅前や公園に多くの人だかりができている。集まっていた人たちの大半が興じているのはポケモンGO。その規模は2016年夏に日本でゲームが配信され、全国的なブームになった時に匹敵するほどの盛況ぶりだ。

 熟練ユーザーは「初期はポケモンを集め、ジムバトルがメインでしたが、ユーザー同士で協力してボスを倒すレイドボス機能や日々のミッションをクリアするリサーチ機能が加わり、ゲーム性が高まった。イベントも多く、以前より面白くなっている」と話す。

 ポケモンGOが爆発的人気を博したのは16年後半。その後、ユーザー数は激減したが、ゲーム調査会社によれば、昨年の売り上げは約950億円で、ゲームアプリでは世界売り上げランキング9位につけた。

「ユーザーの絶対数が多いのもありますが、いまでもプレーしているのは、中高年や主婦が多い。お金や時間に余裕があるのか、コア層となってゲームを支えている」(前出のユーザー)

 一方で、冒頭の件も含めて事故は絶えない。運営会社は一定の速度以上で移動すると操作が制限される対策を講じており、ユーザー間でも「以前より判定がシビアになった」という。

 ただ、今回の事故はゲーム操作はしておらず履歴を閲覧していただけの「ながら運転」だったとされる。運営会社もそこまでは対策をとっていなかったようだ。ポケモンGOの売り上げ規模から、この先、まだまだ人気が続く長寿ゲームとなりそうな雲行き。位置機能を使ったアウトドア型ゲームの性質上、「ながら運転」の根絶は難しく、不幸なポケモンGO事故は今後も起きてしまいそうだ。