福岡“うどん3傑”の「資さん」全国展開へ 「ウエスト」すでに東京進出で最後の雄「牧のうどん」は?

2018年04月12日 17時00分

「食べても減らない」と有名な「牧のうどん」

 福岡の“うどん3傑”最後の雄はどう動く? 福岡県北九州市で1976年に創業し、福岡と山口県下関市で店舗を展開するうどんチェーン「資(すけ)さん」の全株式が投資ファンドに買収され、地元はもちろん、うどん好きの間で話題になっている。「北九州のソウルフード」として愛されてきた資さんうどんは全国展開が検討されているが、福岡のライバルチェーンにも店舗拡大を期待する声が上がっている。

 独立系投資ファンド「ユニゾン・キャピタル」(東京都千代田区)が資さんを買収したことには悲しむ声も聞かれるが、買収によって今後は全国展開される可能性が出てきたことで、遠方に住む地元出身者からは「資さんが俺の地域でも食べられるぞ」と歓喜の声が上がっている。注目したいのは、これに関連し、ネット上で「『牧のうどん』も全国展開してほしい」との声が多数見られていることだ。

 福岡県にはいずれ劣らぬ3大うどんチェーン店がある。「資さん」、「ウエスト」(福岡市博多区・1966年創業)、そして「牧のうどん」(糸島市、76年創業)だ。うどん以外に焼き肉業態も展開するウエストはすでに東京、千葉にも進出済み。資さんが九州以外に店を出すと、地元にとどまるのは牧のうどんだけになる。「九州外にもぜひ出してほしい」という声に、当の牧のうどんはどう答えるのか。

 糸島市の牧のうどん加布里本店の宗直之店長(38)は「お客さまアンケートにも『牧のうどんを熊本に出して』『東京で食べたい』などの意見がよく書かれます。九州以外でも展開してという声をいただくことはとてもうれしい。私の親戚も横浜にいて『横浜でも食べたい』と言っています」と語る。

 ということは、全国展開もあり得る話なのか?

「う~ん。難しいかもしれません。牧のうどんでは、材料を糸島で作っています。福岡・佐賀・長崎の全18店舗は、すべてが『車の輸送時間1時間半以内』というルールにのっとって出店しています」(同)

 その理由は味へのこだわり。「だしのスープを車で輸送すると、揺れて味が落ちる。おいしさを保つため、創業時からのルールを守っている」と宗店長は話す。スープが作られる糸島市から佐賀県鳥栖市の「鳥栖店」まで約1時間。「三川内店」(長崎県佐世保市)まで約1時間20分かかる。その範囲を越えることは現状では難しく、他の場所に工場をつくることも考えていないという。

 牧のうどんの麺は「ふわみ」と呼ばれるやわらかさが最大の特長。麺がどんどんスープを吸って膨らんでいくので、スープ入りのやかんも提供される。「食べても食べてもうどんがなくならない」ことで知られる。

 釜揚げうどん方式であることも資さん、ウエストとの違いだ。

「他のお店さんについて何も言う立場にありません。牧のうどんはスタイルを貫いていく。先代の味を福岡で守り続けていきたい」(宗店長)

 現地でしか味わえないうどんとして楽しむしかなさそうだ。