中国の水はダメ…蛇口から茶色の水

2013年02月09日 11時00分

 中国で続いている石炭や車の排出ガスが原因とみられる“殺人大気汚染”は、日本にも影響が出始め、深刻な事態を迎えている。大勢の死者も出ている大気汚染にまみれた中国の生活はどうなっているのか? 北京在住の30代の日本人妻Aさんが、空気のみならず水質汚染の“ダブル被害”に苦しめられる悲惨な実態を訴えた。

「一昨年に北京に来た当初から空気はよどんでいましたが、昨年末からひどくなった。排出ガスのこげたようなニオイとドブの臭いが混ざっている感じで、ダンナは緑色の変なタンが出るし、周りも肺や肝機能に異変を起こして、入院。子供たちも原因不明の体調不良に襲われている」

 こう話すAさんは、夫の中国勤務で北京市内のマンションに在住し、幼い子供の育児に追われる専業主婦だ。そんなAさんは、激しい頭痛に見舞われ朝を迎える。起床後にチェックするのは、その日の大気汚染指数だ。50を超えると長時間の屋外活動を控え、150を超えると高齢者や子供は屋外活動の中止が勧告される。中国政府と在中国米国大使館がそれぞれ指数を発表しているが、数字に開きが出るという。

「中国と米国大使館の指数が50も違う時があるんです。もちろん米国大使館の数字を信じ、中国はアテにしていません」

 主婦業の炊事、洗濯、掃除は、大気汚染の影響で重労働を強いられるという。

「大気汚染と同時に水の汚れもひどくなって、蛇口をひねると茶色の水が出てくる。最初だけでなく、時々出てくるので、とても飲めません」

 飲料水はミネラルウオーターで、野菜も生は厳禁。専用洗剤で漬け置きしてからでないと料理には使えない。水が汚れているために洗濯も悪戦苦闘で「白物は洗濯すると逆に灰や茶色に汚れることがあるんです。大事な服は手洗い。1回で2度洗濯機を回すことになる」

 もちろん外に干せるハズもなく、室内干しは北京市内では“常識”だ。ただ、その室内も汚れてしまうから目も当てられない。2重サッシで日本製の空気清浄機を24時間、フル稼働させているが、効果はゼロに等しい。

「ガスやホコリが入ってきて、床掃除は朝夕拭いても真っ黒。ずっと黒くて、掃除が終わらない」

 室内でも、マスクが欠かせない家庭が多いという。汚染指数の低い日は近場の日系スーパーへ買い出しに出掛けるが“厚化粧”に時間をかける。

「毛穴に汚れが入らないようにベースメークを入念に塗り込むんです。帰ってきたらメークごと汚れを落とす感じ。目は痛くなるし、髪の毛はベトベトで、シャワーを浴びると黒い水が出ます。この冬買った青いコートはドス黒くなりました」

 夜の生活にも大きな影響を及ぼしているようで「(空気の汚れは)午前より午後の方がひどくなる。夜の営み? 私はゼロ。周りを見てもメンタル面で落ち込んでいる人が多いので、なかなか頑張ろうとはならないと思います」。

 大気汚染は、想像以上に人々の心身を深く傷付けている。