米保守系メディアがトランプ擁護 異口同音メッセージの不気味さ

2018年04月05日 17時00分

擁護派が増え、ゴキゲンのトランプ大統領(ロイター)

 CNNテレビやワシントン・ポスト紙など米主要メディアは4日までに、米保守系大手メディア「シンクレア・ブロードキャスト・グループ」が保有する全米100局以上の地方放送局に「主要メディアがフェイク(偽)ニュースを報道している」と非難するメッセージを、キャスターらに読み上げさせるよう指示していたと伝えた。

 トランプ大統領は政権に批判的な主要メディアの報道をフェイクニュースと攻撃しており、シンクレアがトランプ氏に同調した動きに出たとみられている。

 さらに、トランプ氏が「シンクレアの競争力と質の高さがわかる」とツイッターで援護したことで、主要メディアは、シンクレアが政権寄りのプロパガンダを放送するよう強制しているなどとして批判的に報じている。

 ワシントン・ポストによると、シンクレアは地方にある173局の放送局を保有。全米の地方放送局は各地域で信頼度が高く、世論形成に大きな影響力を持つ。

 シンクレアが指示したメッセージは読み上げると1分程度の長さ。「偏ったフェイクニュースがソーシャルメディアでまん延している」とした上で「全国的なメディアは事実を確かめもせずに、同様の偽の記事を流している」などと主要メディアを非難した。

 米国では約30の放送局のキャスターらが異口同音にメッセージを読み上げる動画が最近話題になった。多くの放送局がシンクレアの指示に従う一方、拒否する放送局もあったという。

「シンクレア傘下の局のどのキャスターも一言一句、台本どおりに話す異様さはまともなメディアではない。恥ずかしいという局内部の声が、主要メディアにも届いていた」(米マスコミ関係者)

 シンクレアはこれらの批判に「キャンペーンの趣旨は事実に基づく報道だ」と反発。同グループはニューヨークやロサンゼルスなどの計数十の放送局買収について、当局の審査を待っており、承認されれば、影響力がさらに拡大するとみられている。