李明博元大統領逮捕の深刻背景 韓国・文氏の思想を超えた“怨念”

2018年03月24日 17時00分

 23日未明に、収賄や横領などの容疑で韓国の李明博元大統領がソウル中央地検に逮捕され、大統領経験者がまたも悲惨な末路を迎えようとしている。韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏はこう語る。

「文在寅大統領は右派政治家を徹底的に弾圧することで、親北左翼大統領であることを内外にアピールした。ろうそくデモの勢いを駆って、朴槿恵前大統領を討ったのに続き、李元大統領を葬ることに成功した。朴槿恵は言うまでもなく反共を旗印にした朴正熙の娘。李明博もスタンスは保守系です。文大統領は今後、南北対話、米朝対話の立役者という功績を盾に、独裁を強化していくでしょう」

 文氏にとって、李元大統領には保守というだけでなく“恨み”もある。文氏は政治家になる前の弁護士時代から盧武鉉氏とタッグを組み、2002年に発足した盧政権では側近を務めた。その盧氏は09年に不正献金疑惑が降りかかり、自殺した。

 当時は李明博政権が不人気な一方、盧氏が再評価される中での疑惑であり、韓国では「李大統領のスキャンダル隠し」とも言われた。そして自殺したことで「李氏は盧氏の死について謝罪すべきだ」という論調も強かった。今回はその報復という見方も強い。

「元大統領が1年間で2人も逮捕されるというのは、他国から見れば異様な光景かもしれません。韓国ではかつて、やはり全斗煥と盧泰愚がともに2年半も拘置されていました。これが韓国なのです」(但馬氏)

 李元大統領は有罪となれば数十年にも及ぶ懲役も予想されている。