人気ラーメン店だけじゃない!「外国人不法就労」の実態

2018年03月08日 07時00分

不法就労が発覚した「一蘭」道頓堀本館

 人気ラーメン店だけの問題じゃない!! 外国人留学生らを違法に働かせたとして、大阪府警南署は6日、人気とんこつラーメンチェーン「一蘭」(福岡市)の吉冨学社長(53)や労務担当の女性社員(39)ら計7人と、法人としての同社を入管難民法違反(不法就労助長)などの疑いで書類送検した。大阪では来年のG20サミット首脳会議、東京では2020五輪・パラリンピックを控え、外国人労働者に頼らざるを得ない状況が続く。現場の声は…。

 同署によると送検容疑は、昨年9月3日から11月25日、大阪市内の2店舗で、ベトナム人留学生ら10人を法定の上限、週28時間を超えて違法に働かせた疑い。7人は容疑を認めているという。

 発端はベトナム人への職務質問だった。

「留学目的で来日していたが、すでに滞在資格を失っていた。一蘭で長時間働いており、店舗の雇用関係の調査をしたところ、他に何人も時間外で働いている外国人がいて、今回の措置に至った」(捜査関係者)

 大阪では一昨年に激安スーパーで知られる「スーパー玉出」、昨年には人気串カツ店「串かつだるま」が、同法違反で書類送検されるなど、不法就労の問題が相次いで発覚している。

 大阪では19年にG20サミット首脳会議の開催も決定。さらに、松井一郎大阪府知事や吉村洋文大阪市長が率先して、25年国際博覧会(万博)やカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致活動を展開している。

 大阪の観光業界の関係者は「日本は東南アジアの国や香港と違って、観光で成り立ってきた国ではないので、交通面以外のインフラが遅れている。IRが誘致されると、数万人規模の雇用が必要といわれる。現状でも飲食業は人手が足りないので、外国人労働力は重要となるでしょう。ビザの問題など、国としてしっかり整備しないといけない」と指摘した。

 飲食業の関係者は「忙しいのはありがたいが、日本人アルバイトが集まらない。外国人に頼らざるを得ないのは同じなので、人ごとではない」という。
 2年後に五輪を控える東京もしかり。

「すでに首都圏のコンビニや飲食店では、外国人のバイトが主戦力になりつつある。もちろん、彼らの滞在期限はチェックして合法的に雇っているが、五輪となれば、さらに忙しくなるのは目に見えている。法律などで特別措置も考えるべきではないか」とは飲食店関係者だ。

 法務省によると、昨年6月末時点の在留外国人数(3か月以上の在留期間が決定している人)は247万1458人で前年12月比8万8636人増となり、過去最高となった。また、厚生労働省によると、昨年10月末時点の外国人労働者数は127万8670人で、前年同期比18%増で5年連続の増加となった。この5年間で約60万人増加したという。

「建設、製造業界などでは外国人の技能実習制度での受け入れを拡大し、期間も最長6年間に延ばす制度がありますが、そうした対策は飲食、小売業界まではカバーされていない」(行政関係者)

 不法就労はもちろん違法だが、人手不足問題が解決されない限り、同様の問題が今後も起きるだろう。