大阪・堺市“第3のギョーザ市”急浮上ってホンマ?

2018年02月20日 07時10分

龍華山のギョーザ

「ギョーザ日本一」争いで浜松市と宇都宮市が激しいバトルを繰り広げている中、“異変”が生じた。総務省が先日発表した2017年の家計調査によると、都道府県庁所在市や政令指定都市を対象とした1世帯(2人以上)当たりのギョーザの購入金額で、宇都宮(4258円)が4年ぶりに1位を奪還。浜松に次ぐ3位に大阪・堺市が急浮上したことが話題を呼んでいる。当の堺市民たちに実感はないのだが…。

 ギョーザの支出金額は、昨年まで3年連続で浜松市が1位だったが、前年の4818円から3582円へと急落。一方、宇都宮市は約400円の落ち幅にとどめ、13年以来の首位に返り咲いた。

 そんな2強に次ぐのが堺市だ。14~16年の平均支出金額は2340円で9位。16年は単年で2285円で17位だったが、17年は3091円と前年から大きく伸ばして、大手チェーン「餃子の王将」の地元・京都市(4位)などを退け、3位にジャンプアップした。

 要因が気になるが、当の堺市民は「そうなん!? ギョーザは好きやけど、他の人より格段に食べとる印象はないけど」「ホンマに? ご当地ギョーザとかも聞いたことないし、ギョーザの町ってわけでもないと思う」と実感はなし。

 堺市役所も「私たちも何で?という感じです。『龍華山』さんという持ち帰り生ギョーザ専門店が、テレビにも取り上げられて大人気とは聞いてますが、コレという根拠がわからない」という。

 そもそも、総務省の家計調査の集計方法は実態にそぐわないとも言われる。というのも、この調査でのギョーザは品目別で「調理食品」の中に分類され、別の項目には「冷凍調理食品」もある。また、外食は別品目。さらに、2人以上の世帯の支出が対象で、独身世帯は対象外なのだ。

 要するに、対象となるのはスーパーなどで販売された調理済みや生のギョーザに支出した金額。同じスーパーで買った冷凍ものや、独身男性が購入したギョーザは対象外。「餃子の王将」の店内で食べたり、テークアウトした分は外食部門となるので別枠だが、前出の「龍華山」は、生ギョーザ専門の持ち帰り専門店でカウント対象内だ。

 ここ2年で2店舗を増やし、現在は市内に4店舗を構える。「龍華山」マネジャーの武田健吾氏は「店舗が増えたこともあって、以前の3~5倍に製造量が増えました」と話す。同社のギョーザは1箱20個入り900円で販売されているが「1回で3箱くらい買って帰ってくれる方が圧倒的に多い」という。

 躍進に一役買っている可能性は高いが、人口80万人を抱える堺市だけに、どこまで影響を及ぼしているかは未知数。「オーナーも『堺市の幹部から、3位になったのはお前のとこの影響やろ?って言われた』と笑い話をしてました。この忙しさを見たらまんざらでもないかもとは思いますが、明確に『ウチです』って言えるだけのデータはないんですよね」と武田氏も苦笑いだ。

 結局、3位躍進の要因は不明だが、支出金額が伸びたことは紛れもない事実で、ビジネスチャンス到来にも思える。

 市の関係者は「堺では『上神谷米』という白米を育てているんですが、市長も記者会見で『ギョーザはごはんと合うおかずなので、一緒に食べていただきたい』と言ってました。仲間内でも『ギョーザ3位は良い話だし、何か市のPRに活用できたらいいな』と話してます」と、前向きにとらえている。

 前出の武田氏も「どうせやったら、市に頼らんでも1位取って、逆に市を動かしたろうやないかとオーナーとも話してます」と意気込む。2強に食い込む「ギョーザの町」となるか――。