401億円出金完了会見に姿を見せなかったコインチェック和田社長の心配事

2018年02月14日 17時30分

会見前にエントランスで入念な打ち合わせを行う関係者

 約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」を流出させたコインチェック社が13日、金融庁に業務改善計画を提出し、会見を行った。

 100人以上の取材陣が殺到したが、会見場は東京・渋谷区の本社ビル1階のエントランスだった。登場したのも大塚雄介取締役(37)のみで、顔色は優れず、頬はこけ白髪もチラホラ。事業継続を訴え、ネム保有者への補償は「メドは立っている」と強調した。

 大塚氏は同日付で401億円の日本円の出金指示を完了したと報告。流出したネムの保有者約26万人への460億円の補償についても「資金自体はあります。メドはついております」と強調した。

 しかし、報道陣から具体的な期日や、会社の財務内容について聞かれると「正式に発表できるまではお答えは控えさせていただきます」と繰り返すだけだった。

 仮想通貨に詳しいITジャーナリストの井上トシユキ氏は「(大塚氏は)しおらしかったですね。犬が腹を見せているのと同じ。仮想通貨はボロい商売なので『どうしても続けたい』という意志が見え隠れしていました」とみた。

 ネム保有者への補償や今後については「同社の取引額からして準備できると思いますが、金融庁が2日に立ち入り調査に入ったのが気になる。表向きは『システムリスク対策の履行状況をリアルタイムで確認する』ということですが、調べたかったのは数年で460億円をすぐ用意できる錬金術と、金の流れ。今後不審な点が出てくるかもしれません」と分析した。

 一方で気になるのは、姿を見せなかった和田晃一良社長(27)。大塚氏は「上にいます」と3階で別の作業をしているとしたが、関係者は「和田氏はバリバリの理系で、社長というよりエンジニア。実は仮想通貨のことは詳しくない。会見に同席させればボロが出るので外したようだ。彼がショックを受けたのは巨額の損害より、自分も設計に携わったセキュリティーシステムがいとも簡単にハッカーに打ち破られたこと。最近は『どうすれば会社を続けていけるんだろう』とこぼしているそうです」と話す。

 不安を募らせる被害者の声が届いているかは疑わしい。