6日の日経平均は一時1600円超も急落したが、7日は早々に約400円上げて2万2000円台に戻った。2日に米ニューヨーク(NY)市場のダウ平均が665ドル値を下げると、週明け5日の日経平均も約600円値を下げ、欧州にも飛び火したことから世界同時株安に。6日のNYは前日比567・02ドル高と反発(5日は1175・21ドル安)したが、値幅は1167ドルと乱高下。世界中の投資家たちを翻弄している。

 昨年秋からの急激な株高で「いつか調整のために下落するはずだ」と身構えていた人は多かったが、ついにその時が来たという感じだろう。株式評論家の山本伸氏は、今回の世界同時株安について「投資家心理を突いた、ヘッジファンドと投機筋のうまい切り崩しだった」とこう分析する。

「すべての発端は先週、欧州中央銀行の幹部が欧州での量的緩和終了の可能性を示唆したこと。これによって債券が売られて金利が上昇し、株も売られる流れになったが、それに輪をかけたのが、もうそろそろ株価が調整局面に入って下落するという投資家心理。これをうまく突いてヘッジファンドや投機筋が切り崩したと見るのが妥当だ」

 株価が一本調子で上がり続けただけに、どこかで調整局面が来るのは投資家が予想していたことだが、その心理を最大限に利用されたということだろう。では、株価はこのまま下落の一途をたどってしまうのか?

「投資家心理が反映される恐怖指数が、2日と5日では2倍に跳ね上がったが、今回の下落は一時的な可能性が高い。株の下落はブラックマンデーやリーマンショックのように金融危機と結びつくと負のスパイラルに陥るが、今現在、世界中を見ても金融危機と言えるものはほとんどないので、いずれ下げ止まって、再び株価は上昇するはず」

 とはいえ「低金利と好景気と株高が“同居”した“適温相場”が崩れたため、投資家の資産の再配分が決まるまで1~2週間は荒い動きをする」とも山本氏は予想する。

 当面は日経平均2万円を死守できるかが大きなカギとなりそうだ。